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東方 永恋郷『Absolute Sense』  作者: 如月 椿
第2章 悔夢異変
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第73話 脆い者、導く者

どうも、魔理沙だぜ。


異変とは関係ない話が結構長く続いてるな。 

そろそろ終わるんだぜ。


『悔夢異変』って、どんな異変なんだろうな。

今の時点じゃ何も分からないんだぜ。

「人間、らしい………?」


「はい、とても。寂しさや、不安。そんな感情は、普通の人間が持つものでしょう?」


確かに、そう言われれば人間らしい感情だと言える。

だが、それでは………。


「仮に。主様が『異常なほど狂っている』のだとして。そんな狂った人間が、周囲のことを気にすると思いますか?」


ミカヅチが真っ直ぐに僕の目を見て言う。

狂った人間が周囲を気にすることなどないだろう。

邪魔だと思うなら、すべて殺せば良いのだから。


「言ってしまえば、感情があるから狂うのです。『化け物』は人間ほど繊細な感情を持ちませんから、狂うことなんてありません。主様は、化け物ではありません。」


「それは……分かってる。でも、僕は何人も人を殺した。この事実はどうしたって変わらない。化け物じゃなくても、『殺人鬼』であることに違いはないだろう?」


誰かを守るためではなく、自分を守るためでもなく。

ただ人を殺した僕は、ただの『人殺し』でしか無い。


それが例え、どんなに非道な行いをした人間であろうとも、等しく『人』であることに違いはないのだ。


「……主様は、自分が人を殺したことに意味はないと思っているのですね?」


「当たり前だよ。実際、僕はただ裏切られるのが怖いから裏切っただけ。……そのうちに、犯罪者を殺し始めて、正義のヒーローを気取って。」


僕が殺す対象は、『僕に近づく人間』から『罪を犯した人間』へと変わった。


ただの偽善者。殺したい衝動を、『残虐な殺人犯』に向けただけ。


僕自身も、『残虐な殺人犯』と何も変わらない。


「確かに、人を殺したことには変わりありませんし、罪のない人間も多く殺しています。」


僕はミカヅチから顔を背ける。


それを見て、彼女は一呼吸置き、『ですが』と続ける。


「主様が殺した中には、十数人にも及ぶ殺人犯も居ました。確かに殺す必要はなかったですが、主様が殺していなければ、無関係な人間がもっと多く死んでいたかもしれませんよ?」


ミカヅチの言う通り、僕は捕まっていなかった殺人犯を何人も殺した。中には、十数人を殺している者も居た。

放っておけばずっと人殺しを続けていたのだろう。


「……お前はよくもまぁ、こんな僕に味方してくれるものだな。」


ミカヅチの方へと向き直し、真っ直ぐ目を見て微笑む。

いつも、僕の傍に居て、僕を支え、導いてくれる彼女。


その存在は、思っていたよりも大きいものになっていたのだろう。


今は、彼女の言葉がこんなにも信じられる。


「主様は、すごく繊細な方ですからね。私が支えてあげないと、すぐに崩れてしまうでしょう?」


「……そうだな。」


僕は、ひどく脆い。


たった一言で壊れてしまうほどに、脆いのだ。


「それに、私は主様が大好きですからね♪いつになったら私の気持ちに答えてくれるんでしょう?」


「……悪いな。もっと良い人を探しに行け。僕じゃお前を不幸にすることしか出来ないだろうから。」


脆いからこそ、彼女の存在は、こんなにも暖かく感じられるのだろうか。


「残念ですね、私は主様以外に興味なんてありませんよ♪」

どうも、霊夢よ。


なんだか話がややこしいわね。

結局何が言いたいのか分からなくなってきてるわ。


まぁ、それはともかく。


そろそろこの話も終わりかしら。

また異変の話に戻るわね。



次回までゆっくり待っていなさいよね!

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