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東方 永恋郷『Absolute Sense』  作者: 如月 椿
第2章 悔夢異変
70/211

第70話 脆く、崩れて。

どうも、魔理沙だぜ。


また少し、雲行きが怪しくなってきたぜ。


というか、またシリアス展開ばかりだな。

そろそろネタも尽きてきてるところかな。

─────────


「……化け物。」


怯えた目でレミリアが呟いたのは、僕が一番恐れていた言葉。


あぁ、知られたのか。

そう思った途端、あの絶望を思い出して───


「あ、あああ、あ。」


僕は、声にならない声をあげた。

言い訳をしたいけれど、どうしても言葉が繋がらない。


彼女達には、知られたくなかった。こんな自分は、見てほしくなかった。


「………『閉界』」


しばし考えた後、僕は『ロスト・エデン』を解除し、レミリアを外へと出して──


「えっ、優都待ちなさ──」


「神域『ロスト・エデン』」


自分だけを結界に閉じ込めた。

突きつけられた現実から逃げるために。


この結界は、外から干渉することは絶対に不可能なもの。

それ故に、僕はこの狭い空間で閉じ籠ってしまおうと思った。


結局、僕は臆病なのだ。

こんな狂った人間が、彼女達と共にいつまでも過ごせるだなんて願いは、儚く潰えることくらい分かっていた。

それでも、抱かずにはいられなかったのだ。


「……化け物だな、僕は。」


狂気の化け物。過去のことはどうであれ、今の僕はそうだった。


『妖怪』と言っても、彼女達は人間と大差ない。

だが、僕は違う。僕は、『人の身でありながら、異常なまでに狂っている』のだ。


「あはは……。なかなか、辛いものだな。レミリアに言われたんだから、尚更か。」


自然と、頬に涙が伝う。

自分は、脆いのだ。簡単に崩れて、簡単には直らない。


──────────(view side  Remilia)


言ってはならなかった。言うべきではなかった。


彼が、何か私達に隠していることは知っていた。

あの時の彼は、本当に『過去の私』のような顔をしていた。


「……ゆう、と。」


「あら、貴女はこんなところで何をしているのかしら?」


突然、背後から声をかけられる。……この声、それは──


「どうしてこんなところに居るのよ、スキマ妖怪。」


紫だ。力なく座り込んだ私を、呆れたような顔で見下ろしている。


「質問に質問で返すのはよくないんじゃなかったかしら?」


……まぁ、紫が来ているのも当然だろう。

霜月花梨と言ったか。あの少女が私の身体を乗っ取った時に使った、過去に封じたスペカのせいで、空が瘴気で埋め尽くされていたのだ。

異変だと考えるのが妥当だろう。


「……その結界の中、優都が居るのね?貴女、彼に何をしたの?」


「……私のせいよ。全部が私のせい。空が瘴気で埋め尽くされているのも、優都が結界に閉じ籠ってしまったのも。」


私は、紫に先程の出来事を細かく説明した。

説明し終えると──


「……こうなった理由は分かったわ。その上で、言いたいことというか、少し良いかしら?」


言い終わるか否かのタイミングで、乾いた音が響く。

少し遅れて、頬に痛みを感じた。


紫が私の頬を叩いたのだと分かるまで、少し時間がかかった。

どうも、霊夢よ。


あら、なかなか珍しい展開ね。


これ、どうやって優都を結界から出すのよ。

紫のスキマでもダメなんでしょ?


まぁ、うちの作者のことだから、その辺もちゃんと考えてるでしょうね……?


次回までゆっくり待っていなさいよね!

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