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東方 永恋郷『Absolute Sense』  作者: 如月 椿
第2章 悔夢異変
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第66話 狂える者と愛す者

どうも、魔理沙だぜ。


優都が……少し怖いんだぜ。


あいつにはまだまだ謎が多すぎる。

この先でどういう関係になっていくんだろうな。

──────────


「くっ、何よここ!早く私をここから出しなさい!さもないと───」


「さもないと……何だ?」


少し怒って睨んだ程度で、僕が怯むと思っているのか?


こいつは、レミリアじゃない。


敵、敵だ。……殺しても、良いんだ。

さぁ、思い出せ。

肉を斬る感触を。ドス黒い血を。心地良い悲鳴を。


あぁ、今だけお前にくれてやる。この身を、この心を。


狂え、狂え、狂え。

こんな偽物じゃなく、本物の『狂気』を見せてやれ。


「ひっ───」


偽レミリアが小さく悲鳴をあげる。

今更気づいたって遅い。


そう。僕はこいつより格段に、圧倒的に──


「あははははははは!どうしたのさ、早く始めよう!殺し、殺され、血みどろに!絶望を絶望を絶望を絶望を絶望をッッ!!」


狂っている。


──────────(view side  Remilia)


……私は、どうしてこんなところに?


目が覚めたこの場所は、『あの日』だった。

私が、最も思い出したくなかった記憶。狂気の記憶。


「どうしてこんなところに──と、言わなくても分かるわね。」


私をこんなところに閉じ込めたのは間違いなく、霜月花梨と名乗ったあの化物だ。


あれは、明らかに人ではなかった。

姿形、外見は人間のそれだ。

けれど、中身は違う。上手く言えないが、あいつからは人間どころか妖怪すら凌駕するほどの莫大な『負』を感じた。


「……結局は、優都に任せるしかないのね。本当に、悔しいわ。」


悔しい。無力な自分が悔しい。

未だに過去の幻影に振り回されている自分が悔しい。


強くなりたい。優都に守られるだけの私は嫌。


───ふふふ。だから貴女は弱いのよ?


視界が突如暗闇に閉ざされる。

何も見えない。けれど、そこに『在る』。


私は、『それ』を殺意で射抜く。


「……どういう意味?」


───強くなりたい。彼に守られるだけなのは嫌。そんな風に言ってるヤツは幾らでも居るのよ。

過去に囚われた貴女が、そう簡単に変われると思うのかしら?


「それは……でも、それと私が弱いことに関係なんて──」


───貴女は過去に囚われているんじゃない。自分を悲劇のヒロインとして見てほしいだけ。

本当は過去なんて、簡単に斬り捨てられるのに。


「違うっ!!」


───いいえ、何も違わないわ。貴女は彼に気にしてほしいだけ。

『自分は過去にこんなことがあって苦しんでます』って言って、彼に同情してほしいだけ。


違う!私はそんなこと思っていない!


確かに、彼にはもっと私を見てほしい。私だけを見ていてほしい。

でも、彼に同情してほしいわけじゃない。


「私は、彼の隣に立って戦いたい。彼に守られるだけなのは嫌!」


そんなのは。守られるだけのお姫様なのは、嫌。

私は、彼の隣で戦える仲間になりたい。彼の背中を守れるくらい強くなりたい。


私は───


「彼が好きだから!」

どうも、霊夢よ。


あれは……優都なの?


今度はどんな無茶なことをするつもりかしら。

『無茶はしないで』って言ったのにね。


次回までゆっくり待っていなさいよね!

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