表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東方 永恋郷『Absolute Sense』  作者: 如月 椿
第2章 悔夢異変
65/211

第65話 澄んだ殺意

どうも、魔理沙だぜ。


早くも異変が本格始動か?


今度の異変は───えっ、本当か?


今度は、かなりヤバいみたいだぜ……?

──────────


これは、異変だ。


「ねぇ、これはどういうことかしら?」


「……霊夢に『働け』って言ってるんじゃない?」


異変。それは間違いない。問題なのは、そこではなかった。


「あははははははは!殺せ、殺しちゃえ!全部全部、殺し尽くしてしまえ!」


それは、狂気。

歪んだ笑顔を浮かべる、黒翼の悪魔。


「あれ、どうしたんだよ……」


「……どうだっていいわ。あいつはあんなことしない。異変は必ず解決してやる。」


……いや、ダメだ。


『いや、やめて……殺したくない!こんなことしたくないのよ!』


レミリア・スカーレット。彼女は恐らく、何者かに意識を乗っ取られている。


それに、あの槍。この前見たものと違う。

瘴気を放って、空を覆い尽くしている。

あれは危険すぎる。


「……霊夢。神社の中に入っていてくれ。あれは僕が片付ける。」


「ば、馬鹿なこと言わないで!優都にばかり無理はさせられない!あんたにはっ、あんたには──」


霊夢は、言葉に詰まって。なんとか言葉を紡ごうとして、失敗して。


……霊夢は、幸せでいてほしい。これまで、異変の解決で忙しかったんだろう。

度重なる異変で、自分のことなんてまともに考える暇もなかったんだろう。


僕には、戦う力があるんだ。今まで霊夢が戦ってきた分くらいは、代わりに戦って、少しくらい休ませてあげたい。


「……分かってる。その上で言うよ。少しの間だけだ。だから、待っていてくれ。」


「………死んだら殺すわ。」


多分、霊夢にも今の状態のレミリアがどれだけ危険なのか分かったのだろう。

霊夢は神社へと戻っていく。


さて。


「得体の知れないこの瘴気は、とりあえず吸い込まないように気を付けようか。」


こういった気体は、吸い込むことで作用することが多い。


とはいえ────


「空が一面緑色だな。人間はそんなに長く息を止めていられないぞ。」


早いところあいつを止めないといけないらしい。

と、なると。


「 これ仕上げは必要ないな。 最初から全力でやろうか。」


僕はスペルカードを取り出し、敢えてレミリアに聞こえるように宣言する。


「スペルカード発動!神域『ロスト・エデン』」


空間が書き換わる。


そこは、楽園。決して逃れることの出来ない、永遠の世界。


「……貴方がやったの?」


殺意の宿った瞳でこちらを見下ろすレミリア。

……汚い殺意だ。濁りきっている。


「いいか、レミリア。殺意ってのは、こうやって放つものなんだ。」


殺す。ただそれだけを考え、対象をどのように殺すかを考える。

それこそが、澄んだ殺意。

背筋が凍るほどの圧倒的な死の気配。


「─────ッ!?こん、な……お前、何者?」


「何者、か。……一応、ただの人間だと言っておこう。」


さて。おしゃべりはここまでだ。

僕はこいつに幻想郷で暴れられたら困るから、この『ロスト・エデン』の中に閉じ込めることにしたが……。


「どうせなら、しっかりと教育しておこうか。そんな殺気の放ち方で、僕が怯むと本気で思っているのか?」


「なんなの、お前。ムカつくわ。殺してやる。」


おぉ、少しはマシになったか。

でも、まだまだ濁っている。全然澄んでいない。


さぁ、始めよう。


「特別授業だ。本気で叩き潰すから、死なないように気を付けてくれ。」

どうも、霊夢よ。


全然異変を解決できてないからって、役立たず呼ばわりは酷いわよ。

私だって今回の異変では───。


とにかくっ、私は役立たずなんかじゃないからね?


次回までゆっくり待っていなさいよねっ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ