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東方 永恋郷『Absolute Sense』  作者: 如月 椿
第2章 悔夢異変
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第57話 悔夢異変

どうも、魔理沙だぜ。


なんだかまた雲行きが怪しくなってきたな。

異変が起こるのか?


私も続きが気になるんだぜ!

──────────


その異変の予兆は、酒宴から一月も経たぬうちに現れ。

僕達がもう一度異変解決に駆り出されるまで、そう時間は掛からなかった。


もしその異変に、名を授けるなら。

僕はこう、名付けるだろう。


───『悔夢異変』と。


──────────


酒宴から一週間。『影』がまた現れた、などの報告もなく、平和が広がる幻想郷。


霊夢によって命名された、通称『境界異変』は、ようやく終わりを迎えたようだ。


ミカヅチは、あれからまた眠りについた。

僕が呼べば起きるのだが、緊急時や頼み事がある時以外、ほとんど呼び出すことはない。


「あいつに頼み事をすると面倒だからなぁ。あいつの求める代価って、ある意味『命』を代価にするより厄介だし。」


スキンシップって言っても、あんまり過剰なのは正直勘弁してほしいところだ。

いくら人間ではないとはいえ、姿形は普通の女の子なのだ。

健全な男としては、色々と考えることがあるわけで。


「僕の理性は鋼なのであって、オリハルコンではないんだけどな。」


僕だって、そういうことに興味がある。男なら当然だ。

だからこそ、過剰なスキンシップは抑えてほしいのだ。


もし、襲ったりしたら───


「受け入れそうなのが、あいつの怖いところだなぁ。」


いくら鋼の理性とはいえ、限界はある。

ネジが飛んだら流石に抑えが効かないぞ。


……うん。この話はこれくらいで終いにしよう。

今はそんなことよりも、だ。


「あれから、レミリアのことがずっと気にかかってるんだよなぁ。」


こうしてみて分かるのだ。

僕は、彼女達のことを全く知らないのだ。

どういう経緯でここに居るのか。

どんな能力を持つのか。

どんな過去を過ごしてきたのか。

何も、知らない。


それは、僕が信頼に足る人間でないからか。

それとも、信頼に足る人間にすら、話したくないようなことなのか。


「まぁ、こっちに来てからまだ一ヶ月くらいだもんな。」


自分のことなんて、出会って一ヶ月程度の人間に軽々しく話せるようなことでもない。

何処から来たのかも分からないような奴を、たった一ヶ月で全面的に信じられるほど、お気楽な性格などしていないだろう。


「……隠してることなら、僕の方にもあるけどね。」


むしろ、彼女達よりも僕の方が隠し事が多いかもしれない。


まだ、全てを語る時じゃない。

話すべき時が来れば、あるいは。


「それに……自分に関して分からないことだって、山ほどあるんだろうからな。」


何度思い返しても、幾度言葉を繰り返しても。

結局は、何一つ分からなかった。


……だから。


「『自分』を知ってから、伝えることにしようか。」


───僕のことを。自分が何者なのかを。

どうも、霊夢よ。


なんだか、また新しい異変の予感ね。


……最近、話すことがなくなってきたみたい。


次回までゆっくり待っていなさいよね!

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