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東方 永恋郷『Absolute Sense』  作者: 如月 椿
第1章 境界異変
52/211

第52話 そして彼女は口づけを

どうも、魔理沙だぜ。


いきなり気になるサブタイトルだな。

今回はお子様の教育に悪いぜ?

小学生の皆は見ないことをおすすめするんだぜ。

もうちょっと大人になってからにしような。

──────────


「君は……誰?」


「ん、我か?我はミカヅチ。汝に武御雷の権能を貸し与える為の媒体、といったところか。」


そう。彼女は普通の人間ではなく、神から与えられし生を受けた──


「神の娘。そういう意味での『神子』だな。」


神子。彼女の場合は、『神の子供』。

その力は、その姿は、神により創られしもの。


そう告げて、彼女はひどく寂しそうに、笑う。

その表情が、胸を締め付けた。


人間ではないこと。神によって創造され、強大な力を持つが故に孤独だったこと。

それが彼女を苦しませていることが、悲しかった。


だから、だから僕は

───『書き換えた』。


──────────


「主様?どうかなさったのですか?顔色が優れないご様子ですが。」


視界に闇が広がる。星々と満月に照らされるこの夜に戻ってきた。


ミカヅチが心配そうにこちらの顔を覗き込んでいる。

周りに目を向けると、先程まで集まっていた紫達がそこにはいた。


「あはは、大丈夫だ──うぁっ!?」


───助けて!


また、だ……!

強い感情が、頭の中に流れ込んでくる!


───死にたくない!


なんだ、これ!

何かが、見える。

自分の知らない記憶が、頭の中で再生される。


何かが、僕の身体を、意識を

───『侵蝕』する。


「ど、どうしたのよ優都!?しっかりしなさい!」


───消えたくない!


「だ、まれ……黙れぇぇぇぇぇぇッッ!」


腰に差していた『陽炎』を抜き放ち、足を突き刺す。

深々と突き刺さり、貫通し、勢いよく血が吹き出す。

朦朧としていた意識が、『痛み』によって目覚め、意識を激痛が埋め尽くす。


まだだ、まだ足りない!

まだ、『あいつ』を追い出せていない!


「な、何をしているのよ優都っ!やめて、やめなさい!」


「……どいてください。」


足を貫通した『陽炎』を抜き、今度は腕へと──


「其の身傷つけること能わず。言の葉よ、治癒の祈りを纏いて、邪を滅し給え。」


その刃は、腕に鋭い痛みをもたらすことはなかった。

代わりに訪れたのは、唇への柔らかい感触。

唇からその中へと、柔らかいものが入り込む。

電撃が頭の中を駆け巡り、意識を書き換えていく。


目を開けたとき、その瞳に映ったのは、黒髪黒瞳の少女の顔だった。


「な、ななななな、な。」


その後ろでは、霊夢が顔を真っ赤にして口をパクパクさせ、なんとか言葉を紡ごうと頑張っている。


「あら、その子なかなか大胆じゃない?」


紫がニヤニヤと嫌な笑みを浮かべてこちらを見ている。

真っ赤になってこちらを見ている者、見ないように顔を背けている者、目を輝かせて見ている者。


と、いうか。

なんだか、暖かくて。

見てみると、足の傷がまるで初めから無かったかのように塞がっていて。


「……お前が、治してくれたのか?」


永遠にも感じるほど、長く永い口づけの後。

口づけの感触を確かめるように唇を細い指でなぞっている彼女は──


「ふふっ。今回の件の代価、しっかりと受け取らせていただきましたからね♪」


そう言ってまた、突然に僕の唇を奪っていった。

どうも、霊夢よ。


作者のヤツ、


『キスどころか手を繋いだことすらないのに、どんな感じかなんて分かるわけないじゃん。』


とか言ってたわね。


まぁ、あんなのに恋人が出来るようなら、

その日のうちに人類は滅亡でもするんじゃないかしら。


次回までゆっくり待っていなさいよね!

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