第51話 巫女と神子
どうも、魔理沙だぜ。
異変は解決。ようやくなんだぜ。
そして、ミカヅチの謎が明かされていく……
次で分かるぜ。楽しみにしてるといいぜ!
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「……言いたいことは山ほどあるんだけど。とりあえず誰か知らないけど、優都から離れなさいっ!」
「嫌です!どうして貴方如き人間に命令されなければならないのですか!」
どうしてこうなった。
説明しよう!
ミカヅチが飛び付いてきた瞬間を、霊夢に目撃されたのだ。以上!
「まぁまぁ。お互いに知らないんだし、まずは自己紹介といこうじゃないか。」
「……主様がそう言うのであれば。」
「優都がそう言うなら、仕方なく。」
しばし、沈黙。
そして、物凄い形相でお互いを睨み、
「真似をするな、人間風情が!貴様如きが何故主様と対等に口を利いている!貴様らなど、主様と話せているだけで畏れ多いと言うのに!」
「あんた何様よ!人間風情って、あんたは何なのよ!優都とはどういう関係なの!?」
……あぁ、この二人はなるべく会わせない方が良いかもしれないな。
ミカヅチの中の基準は、どうやら『主様とそれ以外』のようなのだ。
彼女は、僕以外のものにとことん興味を持たない。
僕の何をそんなに気に入ったのだろうか。
神降ろしの力?剣の腕?
それとも、この異常なまでの身体能力だろうか。
彼女の持っていた剣、斬禍剣『布津御魂』は、僕が彼女に与えたものなのだと、彼女は言った。
そんなことは知らない、と言うと、彼女は、
『……きっとお優しい主様のことですから、私の為に忘れてくださったのでしょうね。』
と、壊れそうな微笑を浮かべるだけだった。
『私の為に』とは、どういうことなのか。
その剣に、どんな出来事が隠されているというのだろうか。
彼女に聞いても、何一つ教えてはくれなかった。
「主様は主様だ!私と主様はまさに一心同体!貴様如き人間に入り込む余地は無い!」
「な、何言ってるのよ!?そそそ、そんなことは考えてないわよ!優都、こいつは何なの!?ちゃんと説明しなさい!」
「貴様っ……!主様に命令するとはいい度胸だな!今すぐ雷で焼き殺してやる!」
……ダメだ。この二人が喧嘩し始めたら収拾がつかない。
「ねぇ、二人とも。その身体、仲良く三等分に刻んであげようか……?」
『陽炎』を抜き、一閃。
二人の後ろにあった木が、中程から切断されて崩れ落ちた。
「すいませんすいません、調子に乗ってましたごめんなさい。もうこんなことしないので許してください主様。」
「本当にごめんなさい。もう言い争いなんてしたりしません。これっきりにするので許してくださいお願いします。」
プルプルと震え始める二人。
あれ、そんなに怖かったのか?なんだかショック。
「自己紹介をして。また脱線したら……」
「「了解しました!」」
二人同時に敬礼。
なんだろ。この二人、実はすごく仲が良いんじゃないの?
「私は博麗霊夢。この神社の巫女よ。優都とはすごく仲が良いわ。」
霊夢さん霊夢さん。『仲が良い』を強調したのにはどのような意図があるのでしょう?
ミカヅチがこれ以上ないくらいに『ムッ』とした表情をしてるんですけど。
ミカヅチは、一瞬だけ僕の顔を見つめ───
「私は───」
どうも、霊夢よ。
魔理沙が言っていたけど、
次でミカヅチの謎が明かされるみたいよ?
そして、またも迫り来る、新たな異変の気配。
次回までゆっくり待っていなさいよね!