第50話 構ってくださいっ!
どうも、魔理沙だぜ。
どうやら、ミカヅチの可愛い一面が見られるみたいだぜ?
作者は本当に、こういう積極的に甘えてくるキャラが好きだな……。
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「こんなに疲れたのは、何年ぶりだろうな……。」
近くの木にもたれ掛かり、果てなき暗闇を見上げる。
燦然と輝く星。この地にも、星は輝くのだな。
突如、その暗闇に 一条の光が駆け抜ける。
それだけで分かる。
ミカヅチが『御魂の雷』を使ったのだ。
「あぁ、ミカヅチのヤツ、本気で怒ってるみたいだな。あれは流石に、『影』共でも耐えきれるものじゃないだろう。」
そろそろ片付いた頃だろう。
立ち上がろうとするが、足が動かない。
満身創痍で身体は悲鳴を上げ、どうして意識を保っていられるのか不思議なほどだ。
「あはは。これは少し休んでいないと、きっついなぁ。」
動いていても止まっていても身体が痛い。とにかく痛い。
全身の関節という関節を痛めている。
「終わったぞ──と、大丈夫か主様。随分と無理をなされたようだな。」
「おぉ、ミカヅチか。殺し終わったのか?」
「……我は気が短いのだっ。」
頬を膨らませて拗ねるミカヅチ。
いや、まだ何も言ってないじゃん。
「相当お怒りだったようだな。お前が『御魂の雷』を使うなんて。」
「あのような畜生に我が主様が傷つけられたのかと、 腹に据えかねただけだ。」
うん、大変ご立腹だ。
小さく頬を膨らませてそっぽを向くのが少し可愛い。
「……さて、それじゃあまんなのところに戻るか──」
「待つのだ、主様。何か忘れているのではないか?」
わ、忘れていること?
な、ななな何だろう。
「な、ナンノコトカゼンゼンワカラナイナァ。」
「……誤魔化すならまずはその唇から頂くぞ?」
な、なんという恐ろしい脅迫なんだ……!
そう。ミカヅチが求める代価。それは──
「さぁ、私とイチャイチャするのだ♪」
───僕とのイチャイチャである。
わけ分かんないだろ?あぁ、僕もわけ分かんない。
どうしてかこのミカヅチは僕のことをとても気に入ったらしく、僕が頼み事をした際には、こうしてスキンシップを代価に求めてくる。
今回の一件に関しては、普通に釣り合わないものだと思うけれど。
「主様はこっちに来てから冷たいぞ?向こうの世界でもほとんど我を呼んでくれなかったのに、こっちでは一度も呼んでくれなかったではないか。」
「そ、それは悪かったよ。だけど、お前を呼ぶほど危ない事態になんてなってな──」
いや、なってるな。
それも向こうの世界の時の比じゃないくらいに。
「主様はもっと私に構うべきなんですっ!」
「おーい。素が出てるぞー。どこにでも居る普通の女の子みたいな口調に戻ってるぞー。」
「はうっ……!」
何を隠そう、なんと先程までのミカヅチの口調は、厨二病全開のミカヅチが演技していただけで、本来の口調ではないのである!
「うぅ。主様のイジワル。ちょっと唇と唇を触れ合わせるだけで良いのにぃ。」
少しだろうがキスはキスだろ。何も変わらないし。
「ダメだ。せめてもう少しソフトにしてくれ、頼むから。」
「むぅぅ。もう我慢なりません!えいっ!」
どうも、霊夢よ。
なんだか、また私たちの存在が忘れられてない?
あの作者、後でぶっこ──はっ倒す。
私だって優都とイチャイチャした──くなんてないわよええもちろん!
じ、次回までゆっくり待っていなさいよね!