第43話 歯車は動き始めて
どうも、魔理沙だぜ。
今回は紫の登場だぜ。
何だか重要な情報も持ってきたみたいなんだぜ?
どんな情報なのか。
それが異変の解決にどう影響するのか。
すごく気になるんだぜ!
──────────
「黒い……槍?」
「そうよ。空から黒い槍が降ってきたの。」
只今状況調査中。
殺人事件の被害者が調査をするという、異例の事態が発生。
「形を持ってるってことは、『影』ではない……のか?」
「……かもしれないわね。形があるだけで断定は出来ないけど。」
そう、か。『影』である可能性もある。
だが、僕を狙ってきたということは──
「あちらが殺したいのは僕なのか?」
「ええ。その可能性は非常に高いわね。」
参ったなぁ。人気者じゃあないか。
……ごめん、ふざけすぎてた。
と、いうか。
「相手が『影』だったら、お前には殺せないぞ?」
「そ、それは……何とかするわよ!」
無理だっつの。攻撃が効かないんじゃ殺せるわけないじゃん。
「あれは……結局どういう理由で攻撃が通るのか分かってないんだよな。」
「それじゃ、いつ攻撃が通らなくなるかも分からないじゃない……。」
霊夢が呆れ気味に言ってくる。
いや、分かるわけないから。
「なら、攻撃が効いているうちに殲滅しよう。その間に異変が解決できたら万々歳だ。」
───その必要はないわ。
その声は唐突に。どこからともなく聞こえてきて。
目の前に、空間の裂け目のような、『何か』が現れた。
「あぁ、やっと出てきたのね、神出鬼没のスキマ妖怪。」
「あら……霊夢?そこの少年と守矢の巫女以外には用は無いのだけど、まぁいいわ。」
出てきたのは、金の髪の女性。見た目は……20代?下手をすれば10代か?
「僕と……姉さんか?何の話だ?」
「その前に。自己紹介からしましょうか。私は八雲紫。霊夢が言うところのスキマ妖怪よ。」
あぁ、この人が霊夢の言ってた。
確か、この人が僕を連れてきたんだっけか。
「僕は、神無月優都です。お見知りおきを、紫さん。」
「あぁ、さん付けは要らないわ。『紫』で結構よ。よろしくお願いするわね、優都。」
「そうか?なら、紫。『必要ない』って、どういうことだ?」
あの『影』は間違いなく今回の異変に関係している。
あれを放置して良いわけがないだろう。
「まぁまぁ。聞きなさいな。実はね、博麗大結界に穴が空いてるのよ。」
「え?ちょっと待ちなさい紫。そんなわけないじゃない。これまでの長い間、一度もそんなことはなかったのよ?」
「どんな出来事だろうと、『初めて』の事態は信じられないものよね。でも、これは紛れもない真実よ。」
結界に、穴が空いた……?
どういうことなのかは分からないが、何か危険なことだというのは、紫と霊夢をみていたら分かる。
「……そういうこと、なのね。」
どうも、霊夢よ。
そういう……ことだったのね。
ようやく、異変の原因が分かったわ。
さぁ、異変解決へのラストスパートよ。
次回までゆっくり待っていなさいよね!