第37話 異変は真実へ
どうも、魔理沙だぜ。
そろそろこの異変が解決に向かうんだぜ。
異変の原因はすごく意外な場所。
しかも、それがここからの展開に大きく関係してくるんだぜ!
ますます気になってくるんだぜ!
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「結局、あいつを倒す術は優都しか持ってないのよね。」
「そう、みたいだね。それも、並の攻撃じゃあ防がれて終わりだったからね。」
『影』は、一体一体が恐ろしく強い。
攻撃が通じるとしても、ダメージが無いのなら意味がない。
「……手詰まりかしら。あれが何体居るのかも分からないものね。」
「……いや。手なら一つあるよ。出来るかは分からないけど。」
あれが異変の影響なら、倒さずに解決する方法が一つだけある。
「異変の方を先に解決する、ね?」
「そう。ただし、これで解決するかは分からない。」
「………それはどうして?」
珍しくレミリアが理解できていないのか、首を傾げている。
「異変の解決法が『影』を全滅させること、だったりしたら?」
「……なるほど。もしそうなら、また振り出しに戻されるわね。」
そう。異変の解決法がもしそうなのだとしたら、『影』と対峙する以外に道は無い。
出来ればこの心配が、杞憂に終わると良いのだが……。
「……そうなる可能性も踏まえて、結局はあれを倒す方法を考えなきゃいけないわね。」
「ふぅ。今回の異変は、本当に厄介なもののようね。」
「え?今回の厄介さはレアケースなのか?」
妖怪やら何やらで溢れてるんだから、もっと厄介な異変があるんじゃないか、とも思ったんだが。
「こんなに面倒なのは珍しいわね。少なくとも、スペルカードが効かないのは初めてのケースだわ。」
「そうね。霊夢と魔理沙で解決できるレベルだったものね。」
……ふむ。他の人間から手を借りるのは初めてなのか。
「そういえば、幻想郷に人間ってどれくらい居るんだ?」
特異な能力で溢れ、妖怪が数多く存在するこの世界だ、人間は人間の里以外には居ないのか?
「人間の里の外なら、霊夢と魔理沙だけよ。」
………え?
「あれ、姉さんがカウントされてなくない?」
「あぁ、早苗は────」
「霊夢さぁぁぁぁん!!」
大声と共に部屋へ飛び込んできたのは緑色の巫女服。
なんというタイミングか。
ちょうど話題に挙がった瞬間にご登場の姉さん。
なんでも良いけど、あの人も元気だなぁ。
霊夢と似てるな。
「何よ。今は異変の話をしてるの。余計な話だったら放り出すわよ。」
「そう、それです!異変の話なんです!」
「……何か対処法が見つかったの?」
だとすれば本当に良いタイミングだ。
このままでは本当に手詰まりになるところだった。
「どうやら、私の攻撃はあの『影』に通用するみたいなんです!」
「……これは、どういうこと?」
霊夢が首を傾げる。レミリアも理解できずに「うぅぅ」と唸っている。
霊夢はともかく、レミリアはさっきまでのカリスマ性が吹き飛んだな。
どうも、霊夢よ。
早苗が持ってきた情報によって、
ようやく『影』の対処法が判明。
ここから異変解決へ一直線よ!
次回までゆっくり待っていなさいよね!