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東方 永恋郷『Absolute Sense』  作者: 如月 椿
第1章 境界異変
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第29話 破滅へと導く者

どうも、魔理沙だぜ。


何だか、また謎の夢が書かれたな。


気になる言葉も残していったけど。


この先、どんな展開があるんだろうな。

───────────


どこからか聞こえる、誰かの声。

誰の声かも分からない。

ノイズが多くて、何を言っているのかも分からない。


暗闇、暗闇。何も映らない空間。


ふと、誰かの影が過る。

形の定まらない影。


何故だろう。懐かしい気がする。


呼び止めたい。誰か、大切な人だった気がする。


声が、出ない。

金縛りにあったように、身体が言うことを聞かない。


影は去っていく。


去り際に、聞こえた言葉は。


「貴方は────」


───世界を破滅へ導く。


──────────


………夢、なのか。

一体、何だと言うのか。


「僕は、世界を破滅へ導く、のか……?」


「あ、優都。ようやく起きたんだぜ。」


ん、あれ?もしかして僕は、倒れたのか?


……あの程度の疲労で倒れるなんて、僕もまだまだだな。


ここは……アリスの家だな。さっきまで、影と戦って、魔理沙達と話をして、それで……


「……外で倒れたのか。運んでくれてありがとう。」


礼を言って、僕は外に出ようと扉へ向かう。


「お、おい!何処に行くんだぜ?」


「いや、何処って。帰るんだよ、博麗神社に。」 


「……貴方、その身体で帰るつもり?私としては、そうして欲しい限りだけど、自分の状態も考えなさい。」


部屋の奥からアリスが言った。

部屋の奥で何体もの人形が宙に舞う。

明らかに浮遊している。

今更この程度のことにツッコミなど入れない。もう慣れた。


「……邪魔だと言うのなら、それでも邪魔をするほど空気の読めない人間じゃないよ。」


人形を操りながら、アリスはこちらに視線を送る。


「……私はどうでもいいの。それでも、魔理沙が心配するのよ。」


……心配?


「……まるで、『そんな言葉初めて聞いた』とでも言いたげな顔ね。」


「……心配、か。」


「な、なんだぜ?そりゃ、あんな大怪我してたら、心配するのは当たり前なんだぜ!」


……大怪我してたら、心配するのは当たり前、か。


「……くくっ。やっぱり、お前達は優しいんだな。」


心配、心配か。


僕は、外へと出ていく。

夜の森。肌寒い風と相まって、よりいっそう不気味に感じる。


「おい優都!せめて今日は休んでいけって!」


「……いや。このくらいの傷なら、本当に問題ない。」


強がってるわけじゃない。これくらいなら、まだ。

それに………


「二人の時間を邪魔するのも、無粋ってものだろう?」


魔理沙に笑いかけて、僕は真っ暗な森へと向かう。


魔理沙が真っ赤な顔で何か言っていたが、

どうせ


「だから!違うって言ってるだろうが!」


っていう照れ隠しだろうから、聞かずにさっさと帰ることにした。

どうも、霊夢よ。


次は博麗神社に戻ってくるのかしら。


夜の森。これだけで、なんだか不吉な印象よ。


次回までゆっくり待っていなさいよね!

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