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東方 永恋郷『Absolute Sense』  作者: 如月 椿
第1章 境界異変
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第27話 神を降ろす者

どうも、魔理沙だぜ。


優都くんのとんでもない秘密が明かされるぜ。

と言っても、まだ他にも何か秘密があるみたいだけどな。


もっと大きな秘密を抱えているんだぜ。


私も気になるぜ!

──────────


『道具』。与えられた役目を果たす為だけに作られた消耗品。


役目を果たすだけの人形を道具と呼ぶのなら、それは自分のことであると、疑いもしなかった。


道具。道具だ。


道化でも、偽善者でも良い。

何だって良い。


救いを求める者があるのなら、僕は命だって犠牲にしても構わない。


所詮はたった一つ。消耗品の一つにすぎないのだから。


僕が自らに与えたのは、誰かを救う生き方。

僕は、命を捨てることを躊躇わない。

今、この瞬間も。


──────────


それは、唐突だった。

アリスの家を出てほんの数歩。僕は死の危険を察知する。


「幻創『イマジネート・クリエイション』」


顕現した盾にとてつもない振動。軽く後方へ吹き飛ばされ、体勢を崩す。


「優都っ!?」  


くっ……。かなり強いな。


「……このッ!」


霊夢が夢想封印を仕掛ける、が。


「……嘘。どうしてスペルカードが効かないの!?」


霊夢の夢想封印を真正面から受けて、防御すらしていなかった敵は、まだそこに在った。


ようやく、僕は敵を捉える。


いや、捉えるというのは語弊がある。


『影』だ。そこに在るのかどうかすら怪しく思える。

形は定まらず、姿を捉えることが出来ない。


「これは……厄介な相手だな。」


「くっ。こいつは私が──」


「お前は行け。何処から来たのかは知らないが、あいつはおそらく、攻撃を通さないぞ。」


「で、でもっ!私だけ行くなんて嫌よ!優都はどうするのよ!?」


「大丈夫だ。僕には一応、対処法があるからな。」


「でも。それでもっ!」


「分からないのか!?お前じゃ何も出来ないから言ってんだよ!」


「───ッ!………分かった。」


…………行った、か。

流石に言いすぎたよな。

……泣いてた、な。


「後で謝るか。……とりあえず。」


絶対に誰も傷つけさせない。

偽善になっても良い。

死んだって構わない。


「いくら強くても。お前はここで終わらせるよ。」 


………僕は、道具だ。

障害を殲滅するための、道具。

使い潰されることこそ本望であり、いくらでも替えが利く消耗品。


「殺すなら殺せば良い。だけど、最低でも足止めくらいはするよ。」


僕は剣を創造する。

『形なき物を斬る』剣。


僕は道具だ。

役目を果たすためなら、死を迎えたって構わない。


「……心を絶ちて神を降ろす。」


僕が姉さんのところに迎えられた理由が、これだ。


僕は、この身に神を降ろし、その神格を一時的に宿すことが出来る。


勿論、代償がある。

僕が降ろすことが出きる神は、雷と剣の神、武御雷。

だが、その強大さ故に、ほんの三分で身体がボロボロになる。


姉さんの両親は、この力を使わせないように、自分達の監視下に置いたのだ。


「……三分あれば充分かな。」


誰かを救えるのなら、傷つくくらい構わないよ。


……後で、姉さんにも謝らないと。

使わないって約束したのにな。

どうも、霊夢よ。


優都は無茶しすぎよ。

まったく自分を大事にしないんだから。


何処かの誰かさんと同じね。

自分を犠牲にすることを躊躇いもしないんだから。


次回までゆっくり待っていなさいよね!

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