第22話 初めての恋敵
どうも、最近は本編に一切登場してない魔理沙だぜ。
まさか、あの霊夢が、なぁ。
面白い展開になってきたぜ!
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「さぁ、帰るわよ。」
「え?もう帰るんですか?せめて今日は泊まっていってくださいよ。」
「どうしてよ。諏訪子と神奈子が居るんじゃないの?」
………誰だ?
「今日は何処かへ行かれてしまったようなんです。」
「………へぇ、あの二人が早苗を置いて、ねぇ。」
『何か異変関係のこと?いや、最近は異変の影すら見えないのに、それは………。』
霊夢が何やら思案顔で考えている。
真剣な表情だ。霊夢もこんな顔をするんだな。
……それは失礼か。
「それに、久しぶりに優都くんと一緒に寝たいですっ!」
……一緒に寝たこととかないんですが。
「優都……………?」
「一緒に寝たこととかないからね?」
「はい。私が勝手に潜り込んでるので優都くんは知らないですよ?」
「何!?僕が寝てる間に何をしたの!?」
くそ……。起きた時に、妙に良い香りがしたのはそのせいか……。
「……え?別に何もしてないよ?ただ、ちょっとほっぺをすりすりしたり、ぎゅっと抱き締めたり、あとは……そうだ、我慢できなくって、キ────」
「ダメだ姉さん!それ以上は言わなくていい!」
まさか、姉さんにキ──いや、忘れよう。僕は寝てたから知らない。これはカウントしない。
「………分かったわ。早苗、ゆっくり話し合いましょうか……?」
な、なんで霊夢が怒ってるんだ?
「ぼ、僕は気にしてないから、別に怒らなくていいよ。」
「………早苗。もしかして優都って。」
「はい。すごく鈍感です。」
んん?何か分からないが、呆れられてるのは分かるぞ?
──────────(viewside Reimu&Sanae)
「それで。結局霊夢さんはどうなんですか?」
今、優都は風呂に入っている。
霊夢と二人きりになった早苗は、霊夢の気持ちを問いただすことにした。
「……。分からないのよ。優都のこと、すごく気になってるのは本当なんだけど、出会って間もない相手を好きになるなんて、私がすごく軽い女みたいじゃない。」
実際、好きになった明確な理由があるわけではないのだ。
何か経緯や理由があったわけではないけれど、
いつの間にか気になっていた。
「……それは私も同じですよ。一目惚れ、みたいなものです。優都くんに初めて会った日から、彼のことが気になって仕方ありませんでした。」
「……優都には、何か不思議な魅力、みたいなものがあるのかもしれないわね。」
そう。不思議だと思うくらい、彼には何か惹かれるものがあった。
それは、単純に優しさや強さじゃなくて───
「霊夢さん。」
「………なに?」
「私、負けませんからね。」
早苗が笑顔で宣戦布告。
外の世界で、長い間一緒に居たのであろう早苗。
その過ごした時間の長さは、そう簡単に越えられる壁ではないのだろうけど───
「望むところよ。私が初めて、好きになった人間だもの。優都は私が貰うわ。」
どうも、霊夢よ。
私は絶対に負けないわ。
早苗の方が過ごした時間が長いからって、
負けるとは限らないもの。
次回は………まだ秘密にしておきましょうか。
次回までゆっくり待っていなさいよね!