第20話 早苗さん驚愕の事実!
どうも、魔理沙だぜ。
まさか、こんな事実があったとは。
私もすごく驚いたんだぜ!
──────────
と、いうわけで。
守矢神社にやって来たわけですが。
「……なぁ、霊夢。」
「………………何よ。」
「誰もいないじゃん!」
「知らないわよ!呼んでも出てこないんだから仕方ないじゃない!」
何度呼んでも出てこない。
人の姿が見当たらない。
「もういいや。帰ろう、霊夢。」
「そうね。じゃあ、さっさと帰りま───」
「あれ、霊夢さん?」
………おい。
何だよ、人居るんじゃん。
なんで出てこないんだよ。
「ちゃんと居たでしょ?」
………いや、なんでドヤ顔してるの?
君も帰ろうって言ってたよね?
明らかに居ないって思ってたよね?
「えっと、うちの神社に何か用です…………………か?」
へぇ、こっちにはちゃんとした巫女さんが居るんだな。
緑の長髪に、白と青を基調にした巫女服。
髪には蛙と蛇をあしらった二つの髪飾りが────
「……………………え?」
……いや、簡単に判断するのは早計だ。
も、もう一度確認しよう。
緑の長髪。
白と青の巫女服。
蛙と蛇をあしらった二つの髪飾り。
「……………………………」
「……………………………」
い、いや。信じられるはずがないだろう。
でも───────
「え、あんた達どうしたの?もしかして知り合い?」
………あの髪飾りは。
「……ねぇ、霊夢。あの人の名前は?」
「え、名前って………」
─────早苗だけど。
霊夢は、確かにそう言った。
やっぱりだ。
あの蛙と蛇の髪飾りや、緑の髪。更には、優しい声音。
間違いない。
この人は──────
「ここに、いたのか。」
「……………………………。」
「────姉さん。」
「………………………え?」
霊夢が間の抜けた声を出す。
この容姿に、『早苗』という名前。そしてあの声。
間違えるはずもない。
5年前のある日、僕に別れを告げて消えてしまった姉さん。
「………………優都、くん?」
姉さんはまだ状況が理解できていないみたいだ。
無理もない。僕だってまだ混乱している。
「え、えぇぇぇぇぇぇ!?」
…………霊夢。うるさい。
──────────
「うん。優都くんが優都くんなのは分かったよ。……でも、どうやって来たの?」
姉さんの説明によると、どうやらこの世界には無数の時間軸が平行して存在している、らしい。
別の世界、と言うのが正しいだろうか。
それ故に、『幻想郷』という場所も無数に存在するため、
同じ世界から同じ幻想郷に来るのはほぼ不可能、らしい。
「それは分からないよ。偶然にしては出来すぎだと思うけど、それ以外の原因は今のところ分からないからね。」
「そう、なんだ………。」
「僕としては、姉さんがそんな難しそうなことまで知ってるのが驚きだったかな。」
「えぇ!?そ、それは酷いと思うよぅ?」
姉さんは昔からバ──天然だ。
そういう小難しいことは何も覚えようとしない。
「…………。何だか私、まったく状況が分からないわ。」
どうも、霊夢よ。
未だに理解できてないわ。
もしかしたら、早苗の能力が優都を呼んだのかもしれないわね。
次回までゆっくり待っていなさいよね!