三つの記憶を持った赤ん坊
俺の名は・・・まだない。
だって、
「あぅ」
産まれたばかりの赤ん坊だから。
赤ん坊なのになぜかこんなに赤ん坊らしくない喋り方・・・・喋るのはあうしか言えないから考え方か。考え方が大人びてるのは俺の頭に知らない三つの記憶があるからだ。
一つ目はこの世界の魔法を呪文を唱えず使えるようにした魔道具を最初に作った魔道師の女性の記憶。
二つ目はこの世界とは違う異世界の日本という国で普通?に生きた男の記憶。
三つ目は自分が管理する世界の人々の争いを止められず世界が崩壊を始め、自分を犠牲にして世界の崩壊を止めて消えた神の記憶。
そんな記憶が俺にある。
これは前世の記憶って言うのだろうけど、ぶっちゃけなかったほうがよかった。三つの記憶があると最初混乱した。混乱すると神の記憶のせいか魔道師の女性の記憶のせいか産まれたばかりなのに魔法が使えて使ってしまって親は悪魔の子と思ったのか今俺は・・・・教会の扉の前に置いていかれていた。
「あぅ!」
さっきからあうあう言ってるのに誰も出てこない。留守か?まあ、留守じゃないとしても寝てるか。親は近くだと俺が魔法とかで自分のとこに戻ってくるかもと思ったのか遠くまで馬車で運ばれて夜中に俺をここに置いて行ったんだからな。
朝まで待つかといいたいが、置いていた季節が問題だったな。かごに入れられた俺の視界に入るのは雪だるま。季節は冬で寒くて朝まで持たない。今雪が降ってないことだけはよかった。
ザクザク
?
「あれ?」
「あぅ?」
おっ、雪を踏む音と人の声が聞こえた。
ザクザク
?
「食べ物かな?えっ!?赤ちゃん!?」
耳の尖った女の子が俺の入ったかごを覗いて言った。