7,間近な死と縛りプレイ
強くなる事を決意した俺は、他の生物を探して森を彷徨っていた。
だが結構歩き回っても魔物の姿は見えない。いままで見つけたのは俺と同じ
スライム4匹だけで、一応経験値にしたが某国民的RPGと同じぐらいの効率の悪
さだ。なので今はスライムを見つけても無視している
(それにしてもスライム以外の魔物が見つからないんだ...?
LUCが高いならすぐ見つけてもいいと思うんだがまぁ水辺に行けば会える
だろう)
そんな事を考えながら水辺を探して歩く。
だが、俺はこの時スライムとはいえ、魔物を楽に倒していて忘れていた。
スライムは最弱で、俺は自我のあるスライムである事を・・・
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俺は今死に物狂いで走っていた。正確に走っていたのではなく、転がっている
今の俺は青い球体みたいな形で普段は跳ねて移動しているが、急いでる時は
転がったほうが速い。今は追われる身だ。これ以上速度を落とすと追いつかれ
てしまう。そうしたら待っているのは死だ。
そしてそんな俺の後ろを追いかけるのは小さい蛇のような魔物のワームだ。
一応鑑定はしたが直ぐに俺は逃げる事を選んだ。
だってステータスが開き過ぎているんだもの・・・同じFランクの魔物なのに
な・・・。ちなみにワームのステータスは
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名前 ???
種族 ワームLV2(ワーム)
状態 脱水
モンスターランク G
能力値
HP 41/46 MP 0/0 STR 29 DEF 26 AGI 44 DEX 0 LUC 9
スキル
噛み付くLV2 隠密LV1
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何なのこのステータス?同じGランクでもここまで違うの?
状態異常で脱水か・・・そういや結構探したけど水辺はなかったな。
どうやらここら辺ではスライムは飲み水のようだ。泣きたい。
(今は坂道を転がってるからいいけど坂道が終わったらAGIで負けてるし
逃げられないよな。今のうちに何か考えて置かないと・・・)
何かこの状況をひっくり返せるようなものを探しながら、転がっていると
丁度いいものを見つけた。俺はそれがある方に向かって方向転換し、通り過ぎ
る。俺の後ろにいたワームは俺が通り過ぎたものの所で止まりそれを飲み込む
そして満足したワームはご機嫌で来た道を引き返していく。
今回俺が生き残るために利用したのは、俺と同じスライムだった。
ワームは脱水症状を治すために俺を狙っていたから、治れば襲われる理由は
無くなると思っての行動だったが、上手くいったようだ。
だが今回のことで俺は同じランクの魔物にすら勝てない事を知る。
(このままじゃ強くなるなんて夢のまた夢だ・・・
何か方法はないか?)
暫く考えた後に一つの答えに辿り着く。
(俺が勝てるのはスライムだけ・・・ならワームと同じようなステータスにな
るまでスライム狩りするしかないか・・・)
そう決意した俺は、目に着くスライムを片っ端から倒していった。
スライムだけでレベル上げていると、途中からゲームでよくある縛りプレイ
しているような気分になり、テンションが上がっていった・・・