閑話.幼馴染達の苦労
遅くなりました・・・
「やっぱりまだ見つからないか...」
そう言ったの僕、高坂光雪だった。
「もういなくなって、1ヶ月よね...。将の奴はどこで油売ってるのよ」
美羽は、将の事が好きだから余計不安なんだろう。
俺達は、1ヶ月前に失踪した幼馴染の澄桜将を探していた。
当然、警察も捜索してるし、ニュースにも取り上げられた。それでも見つかってはおらず、将が移動した痕跡すら見つからず近年稀に見る難事件になっいた。
俺達も、独自に捜索してはいるが、所詮は学生。行ける所も探せる時間も限ら
れており、今の所何も見つけられていなかった。
だがそれでもやめる事はできず、美羽達と一緒に探し回っていた。
「ところで、円華。両親は元気かい?」
「うん。むしろお兄ちゃんがいなくなる前より元気なんじゃないかな?」
そう、将と円華の両親の蓮二さんと美久さんは将がいなくなってから
いなくなる前より元気なんだ。ただそれは親しい人にしか分からない程度の
変化だから、僕達以外には殆ど気づいてはいない。
「将がいなくなるより前から元気とか、怪しいわね...。
蓮二さん達に何か聞いてみた?」
確かに美羽の指摘通り、何か知っていてもおかしくない態度だよな・・・
「聞いてみたけど、はぐらかされちゃったんだ。でもあれは絶対何か知ってる
はずだよ」
「なら、放課後に全員で押しかけて蓮二さん達から聞き出しましょう」
というわけで、放課後に蓮二さん達に話を聞きに行くことに決まった。
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結局、蓮二さん達にははぐらかされてしまった。
「明日こそは絶対に聞き出す...!」
「私もこの後聞き出してみるよ」
美羽が決意を固め、円華もそれに賛成する。
「取り敢えず、今日は帰りましょう。明日は昼休みに集合するわよ」
最近は皆、夜遅くまで調べ物をしていて登校するのがギリギリなので、朝は
集合出来なくなってしまっている。
(これは将が見つかったら、かなり怒っても問題ないよな)
そんな事を考えながら帰路につく。
次の日の昼休み。
「で、蓮二さん達から話は聞けたかい?」
「ダメだった。どんな方法でも口を割ってくれない。」
結局円華もあの後はぐらかされ続けたらしく、少し不機嫌そうだ。
「取り敢えず、今日も蓮二さん達にって...何よこれ?」
美羽が教室の床を見て疑問の声をあげる。俺も気になって床をみると...
魔法陣が青白く輝いていた―――――
次の瞬間クラス全部を光が包み、光が消えた後にはだれもいなかった・・・