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4,創造神の頼み

 

 「ようこそ、ここは神界、そして僕は創造神のクレアだ。

――君達をここに呼んだのは僕だ」

 

 そう言った青年の言葉を俺達は疑えなかった。

 その理由は、神と名乗った青年が神に相応しいような格好をしているのもあるが

 何より有無を言わさないような雰囲気がそこにあったからだ。


 

 「まぁ、そんなに怯えないでよ。君達に手荒な事をするために呼んだんじゃ

   ないからさ」

 「確かに神様だとしか思えないな。だが創造神様が俺達に何の用だ?

   自慢じゃないが俺は何の変哲もないただの高校生だぞ?

   他の奴らは知らないがな」

 宣言した通り俺はどこにでもいる普通の高校生だ。

 小説やアニメの主人公みたいに頭も良くないし、特別な過去もない。

 身体能力だって少しはあるとは思うが、それも部活をしてる奴には負ける。

 だから、他の人たちがどうかは知らないが、俺は普通の高校生だと言い切る。

 

 「それなら俺もそうだな。どこにでもいるサラリーマンに過ぎないのだが」

 俺に続いて岩乗さんも普通の存在だという。

 そして岩乗さんに続いて、他の人達も普通の人間だと主張した。

 ただ一人を除いて・・・


 「わ...私はちょっと普通とは言えないかも知れませんが、神様に呼ばれる

   ような人間じゃないと思います!」

 そう宣言したのは小島久遠こじまくおん。腰まで届きそうなストレート

 ヘアが印象に残る美少女だ。彼女はアイドルをしていて、テレビにも出ている

 程の人気がある。俺も妹の影響で知っていたから最初会った時は結構驚いた

 

 「まぁ確かに君達七人は普通の人間に過ぎない。それで君達を呼んだ理由につ

  いてだが君達には地球とは違う異世界へ行って貰うからだ。」

 そんな神の言葉に俺達は唖然とする。

 神という存在が出てきた時点である程度は覚悟していたが、これは予想外過ぎ

 だ・・・

 「異世界へ行くと言う事だが、それは所謂勇者召喚みたいな奴か?」

 ただ一人唖然としていなかった岩乗さんが神に訊く

 流石岩乗さん、落ち着いてるなと思ってみたらすごく期待をしているような顔

 していた。ああ・・・ラノベやアニメが好きだと言ってた事を思い出す。

 


 「いや勇者召喚はまだされてないよ。君達に異世界に行ってもらいたい

   理由は異世界に転生して魔王に成って貰いたいんだ。」

 「魔王に成って貰いたいと言う事は、魔王の子供にでも転生するのか?」

 神の頼みに即座に反応する岩乗さん。その顔はかなり嬉しそうだ。

 魔王ルートも楽しそうだなとか考えていそうだ。

 「いや、残念ながら魔王の子供じゃなくてましてや魔族にも転生はしない。

  転生先は魔物や亜人と言われてる存在だ。

  ちなみに転生先はランダムだからね。最初から強い種族に転生する

  場合もあれば、弱い種族の場合もある。そこは運次第だね。」

 

 その言葉を訊いて全員が顔を顰める。恐らく全員が弱い種族になった場合

 を考えたのだろう。人間はいつだって最悪な事を考えてしまうから仕方ない

 事だが。

 「ちなみに異世界は魔法やスキル、ステータスといった概念があるから

  色々な事ができると思うよ」

 神が異世界の情報を教えてくれると、岩乗さんがすごく笑顔になった。

 楽しんでるなーと思いつつ、気になっている事を神に訊く

 

 「それで何でこのメンバー何だ?魔王に成って欲しいなら強い人を転生

  させればいいだろ?」

 そう、魔王に成って欲しいならこんな普通の俺達じゃなくて戦闘の達人

 をさせればいいはずだ。そうしないで俺達にやらせる理由がない。

 「そうだねぇ...この七人である理由はステータスの伸びしろがそれぞれ特化

  しているからかな。」

 「ステータスの伸びしろがそれぞれ特化しているから...だと?

   意味が分からないぞ」

 意味不明すぎる・・・RPGでも特化型よりバランス型の方が安定して強いぞ

 「確かにバランス型は強いけど、格上に当たった瞬間に負けちゃうからね。

  何より君達が目指すのは魔王。格上もいい所だ。

  ...それなら何かに特化していた方が勝目があるだろう?」

 

 弱者が強者に勝つには一点特化するしかないか、確かに道理だ。

 というよりナチュラルに心を読むなよ・・・プライバシーの侵害だぞ

 「あはは!心を読むのは神様特権だ。もう一つ頼みがあるけどそれは君達が

  魔王に成ってから伝えるよ。

  さぁもう時間だ。次に目が覚めた時は既に転生した後だ。

 それじゃおやすみ」

 神がそういうと俺達は全員気を失った・・・・



 ―――――――――――――――――――――――――――――

  「澄桜将君...だっけ?君は一番辛いかもしれないけど頑張ってね...]

気を失う直前そんな声が聞こえた気がした。

  

    

これで一章は終わりです

次回は閑話か二章を描きたいと思います

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