21,追うもの
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森の中を全力で転がっていく。早くしないとノイが森を抜けてしまう。
本来の目的を忘れて猫の事で話し込んでいたのは間抜けとしかいいようがな い・・・
(この世界の情報よりも猫の情報を優先するとかどれだけ平和ボケしてるんだ よ。というかこれ、ノイがもう森を抜けてたら結構やばい?)
ノイがもういないのならアーシェさんに頼るしかないが、今回の件で結構怒って
いるしな・・・。ルイスとレイスはそこまで人間の事は知らなさそうだ。
これはもうノイに追いつくのを願うしかない。
そんな事を考えながら転がり続けて行く。もうかなり転がっていて既に周りを
見渡しても見覚えのない物ばかり。夕方なのも関係しているのかかなり
暗い気がする。まぁスライムに暗いとか明るいは余り関係ないけど。
魔素さえあれば例え夜中でも昼間と同じ感じで周りが分かる。
そんな時少し離れた所でガサッという音がした・・・ような気がする。
(ノイか!・・・でも魔物の可能性もある。取り敢えず落ち着いて様子見しない
とな)
勢いのままに音のした所に飛び込もうとするが、直ぐに魔物の存在を思い出す。
ただでさえ弱いのに相手が集団だったら詰む自信がある。ノイと間違えて魔物
の群れに突っ込んで死んだとか笑えない。
(あの白い髪はノイで間違いないな。けど周りに何人か知らない人達がいるけど
ノイの知り合いかな?)
ゆっくりちかくの木陰から様子を伺うと、木にもたれかかって傷だらけのノイと
その周りを取り囲む鉄の鎧を着て剣を構えている男達。明らかに平和な光景では
無く、タスクにも人目で戦闘中と言うことが分かった。
(ノイの称号にあった追われる者ってあいつらから逃げてたからついたのかな?
となると初めてノイを見つけた時の傷はあいつらが・・・?取り敢えずあのリ
ーダーっぽい奴を鑑定してみるか)
リーダーっぽい奴は他の奴と鎧が違っていた。胸の所に狼みたいな絵がついてい
る。他の奴らは鎧に何も書かれてないからあいつがリーダーだろう。
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名前 ナハト=アンファング
種族 人間
LV:54
状態 洗脳
能力値
HP 5967/5967 MP 971/971 STR 4379 DEF 3493 AGI 2008(+21)
DEX 28 LUC 19
スキル
剣術LV8 剛力LV4 乗馬LV4 気配察知LV3 威圧LV5
ユニークスキル
銀狼の誇りLV10
称号
悪餓鬼、優しい者、銀狼騎士団師団長、洗脳された者
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ステータス自身はノイと比べれば低いが、スキルは中々LVが高い。何より剣術
のLVが8もある。確かアーシェさんは英雄レベルの強さって言っていたな・・・
「何故だ・・・ナハト。何故お前が俺を狙う。戦争が始まる前は俺と同じ考え
だったはずだ!何がお前を変えた!」
「何も変わってなどいない。俺は王の為に戦うだけ。そして我が王がお前を
敵と認めただけの話さ」
どうやらナハトとやらはノイの知り合いみたいだ。ノイはナハトが敵になった
理由が分からずに困惑していて戦いどころではないみたいだが、ナハトは既に
動き出している。
・・・まぁステータスが見れないと洗脳なんて分からないしな。
「これで終わりだ!」
「まだ死ぬ訳にはいかない!」
ナハトが剣を上から下へと振り下ろすが、ノイは隠し持っていたナイフを取り出
し、ナハトの剣を受け止める。
「ナイフで俺の剣を受け止めた・・・?ああ、成る程魔刃化か。だがいつまで
持つかな?」
それからもナハトは攻撃の手を緩めずにノイを攻め立てるが、ノイは一度も反撃
する事無く、防御に徹している。このままだとノイが負けてしまうが、
(これは俺が割って入っても何にも変わらなくないか?何処かの主人公みたいに
死にかけたら力が覚醒とかはないだろうし・・・)
ただ見ていてもノイが負けてしまうし、割って入ってもやっぱり負ける。
ホントにどうしよう?
文字数が少なすぎて二章が長引いてるな・・・
もう少しで二章終わりますので三章で文字数upをしたいですね