19,常識外の存在※ノイ=オーフェン視点
遅くなってしまいすいませんでした。
今回は魔族の少年視点です。
それではどうぞ!
__魔族の少年のノイ=オーフェンは目の前で起こっている事が信じられ
なかった。アイツに追われている途中に隙をついてこの森に
逃げ込んだは良かったが、その代償として直ぐに回復魔法を掛けなければ
死んでしまう程の大怪我を負ったはずだった。
だが、目を覚ますと怪我は無くなっていて、更に念話とはいえ言葉を理解して
使っているらしいスライムがいる。怪我の事は謎だが気にしていても仕方ない
だろう。
そんな事よりもスライムが言語を理解しているというのが信じられない。
言語理解など余程高位の魔物か聖獣以上の存在でなければ出来ない事だ。
それをこの世界で最弱の魔物が行っている。その異常性が途轍も無く怖い。
[取り敢えず怪我の治療は此方でしておきましたが・・・
何処か痛む所でもありますか?無ければお話でもしたいのですが]
目の前のスライムが話がしたいと言ってきたがその前に無視出来ない事を言って
いる。
あの大怪我をこのスライムが治した?スライムにそんな事出来るはずがない。
そもそも念話を使う事もスライムには出来ないはず。
・・・これは誰のかは分からないが式神と考えていた方が良さそうだ。
「すまない、寝起きで色々な事があったもので少し混乱してしまってな。
あの大怪我を治してくれたのは貴公のようだな。礼を言いたいが・・・
今は急いでる身で大した礼は出来ない。
後で礼をしたいので名を教えてはくれぬか?」
名前さえ分かれば後で調べられる。調べさえすれば敵かどうかは直ぐに分かる
だろう。
・・・尤もアイツから逃げ切れればだがな
[すいませんが私はまだ生まれたばかりで名前なんて持ってないんですよ
お礼も要りませんよ。どうしてもお礼がしたいなら、この世界の事を
教えてくれません?]
名前は恐らく知られたくないから隠しているのか・・・
お礼に情報を要求してくるとは正体は森深くに住む世捨て人か仙人と言った
所か。
「この世界についてか・・・いいだろう。分からない事は何でも訊くがいい。
知っている事を教えよう」
それから数時間もこの世界の一般常識や魔族と人の違いなど様々な事を
訊かれては答えていった。
その後は何故か俺の趣味についても訊かれ、代わりにスライムが猫好きだと
言われた時は思わず握手してしまった。
・・・スライムの身体の一部を手の形にして握手してきたのは驚いた。
だが猫好きに悪い奴はいないというのが俺の信念。
互いに猫好きだと分かった事で警戒心が薄れ、すっかり意気投合し話込んで
しまい、気付いたら朝になっていた・・・
ブクマ評価感謝です!誤字脱字がありましたら教えて下さるとありがたいです。