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18,偽善

 

 [俺が少年を助けたい理由は、人助けなんて立派なものじゃないですよ。

  俺はただ、少しの打算と自己満足の為に助けたいんですよ。

  __一言で言えば只の偽善です]


 そうだ。俺は自分の目的の為だけに見ず知らずの少年を、アーシェさん達を利

 用しようとしている。

 そんな事は普段の俺なら、地球に居た頃の俺なら恐らく許せる事では無かった

 ___でも今は利用しなければ目的を果たせない。


 「偽善、ですか・・・。打算の為とは言いましたがその少年を助けたらあなた

  にどんな利益が?それは殺されるかも知れないリスクを負ってまで手に入れ

  るべきものですか?」


 [簡単な事ですよ。俺は何時かは分かりませんが遠くない内にこの森を出て行く

  事になるでしょう。その時の為にこの世界の人間や魔族について出来るだけ

  詳しく知っておきたいんです。アーシェさんの知識だけではダメなんです。

 それに俺は神に無理やりこの世界に魔物として送られてから今まで生き残る事

 に必死でこの世界で魔王になるとかの生きる目標について考える余裕なんて

 全然ありませんでした。

 この世界でしたい事を考える為にもあの少年から話を聞きたいんです]


これでアーシェさんが納得してくれなかったら打つ手無しだ。

 アーシェさんは暫く考え込み、


 「・・・いいでしょう。少年を治すのに協力しましょう。

  但し私達はまだ納得してません。そこでいくつか条件をつけます。

 1,少年に私達について一切喋らない事。

 2,動けるようになったらこの森から出て行くように誓わせ、それを見届ける事

 3,前の二つが終わるまでここに戻って来ない事。

 4,無事に帰って来る事。

 以上が条件です。これを守れるならば私に文句はありません」


 この条件なら問題はない。むしろもうちょっと増やしてもいいくらいだ。

 すぐに了承の意を伝えようとするが、


 「お母さん、何言ってるのよ!そんなの___」

 「ルイス。少し黙りなさい。今はタスクさんと話しているんです」


 その前にルイスがアーシェさんに反対するが、アーシェさんがその言葉を遮っ

 た。どうやら結構ルイスに対して怒ってるみたい。

 あっ。アーシェさんの怒気に当てられてレイスが気絶した。


 [アーシェさんその辺りで怒りを収めて下さい。レイスが気絶してしまってます

  それとアーシェさんの出した条件で構いません。協力してくれるのならば

  俺に出来る事ならなんでもする気でしたから]

 「それならば早く少年の所へ行きましょう。時間がないのでしょう?」


 そうだった。あれからもう二十分近く過ぎてる気がする。急いで向かわないと

 間に合わないかもしれない。

 俺は急いでアーシェさんと共に少年の所へと向かった・・・


 ________________________________


 あの後、急いで少年の所に向かったが何とかギリギリでアーシェさんの回復魔

 法が間に合い、助ける事は出来た。

 アーシェさんは治療が終わると直ぐに拠点に戻ったが俺は少年が起きるまで

 周囲の警戒についていた。

 体感で四時間ぐらい過ぎた頃に少年が目覚めた。


 「ここは・・・。確かアイツ等に追われて・・・途中で倒れたのか?

  それに傷が治ってる。自然治癒する怪我ではなかったはずだが・・・?」


 どうやら今の状況に少し混乱しているようだ。

 そろそろ少年の前に姿を現すとしますかね。

 

 [こんばんわ、魔人の少年。少し話がしたいのだけどいいかな?]

 いきなり言葉の通じるスライムが現れ、少年が驚いている。

 少年の反応に内心で笑いながら少年を見つめる。

 __さぁ交渉をはじめようか

 

 

今回はタスクが異世界転生してから今まで曖昧だった心情を書きました。

早く魔王を目指す切っ掛けを書きたい・・・


後少しで一章が終わる・・・といいな。(願望)

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