15,新たなる出会い
アーシェさんから今のままでは魔法が使うが出来ないと言われて数日が過ぎ
た。
俺が魔法を使うには無詠唱スキルを手に入れるか、発声する方法を見つけるし
かないそうだがスキルポイントを使って無詠唱スキルを取るにはスキルポイン
トが足りないみたいだし、発声する方法は思いつくはずもない。
(ああ・・・異世界で魔法使えないとか理不尽すぎる・・・)
そんな意味のない事を考えながら、生えている果実を採取する。
この果実はルイス達の好物で、採ってくるのは俺の役目になっている。
理由はアーシェさんより俺が強いから安全に採ってこれるだろうという
ルイスの意見だ。
・・・面倒臭くて俺に押し付けた感があるが、一応その通りの為誰も反論
出来なかった。
(さっさと食料集めを終えてLV上げに行かないと)
ここ一週間と少しの間LV上げられて無かったからな・・・
今じゃアーシェさんにルイス、レイスと守りたいものも出来た。
強くなるに越したことはないだろう。
食料集めを終え、拠点に戻るとまたレイスがルイスにぼこられてた。
「姉ちゃんもうちょっと手加減して・・・」
「嫌よ、そんな事したら私の為にならないじゃない。それに稽古つけるように
頼んできたのは貴方でしょう?」
レイスが姉に手加減するようにお願いするがルイスはそれを一蹴する。
どうやら今回はイジメじゃなくレイスが稽古をつけるように頼んだみたいだ。
イジメじゃないなら止める必要はないと判断し、その場を離れようとするが
そんな俺を見つけてルイスが、
「あらタスクじゃない。聞いたわよ、貴方魔法使えないんですってね。
この世界じゃ全員魔法使えるのに。
ねぇ周りは使えるのに自分は魔法使えないってどういう気持ち?教えてよ」
俺が魔法使えないのをいいことに凄い煽ってくる。
俺を煽るのが楽しいのか凄い嬉しそうだ。
俺は聞こえない振りをしてその場を立ち去る。
(聞こえない振りするとか我ながら子供だな。でもあの場で返事をしていたら
後悔する事になる気がしたしな・・・直感に頼るのは悪い事なのかな)
ルイスの言葉に何も言い返せないのは事実。ならば魔法などいらないと言える
程に強くなれれば笑ってやり流せるはずだ。
悩んだ末にそう考え、魔物を狩りまくる。
(ふっ俺のLVと捕食を合わせればこの森で大抵の敵は殺れる!)
出会った魔物を即殺しつつLVを上げていくと木の根に何かあるのに気づく。
警戒しながらそれに近づいていくと驚きの感情しか出てこなかった。
木の根にあったのはものではなく____
白い髪が特徴の少年だったのだから。
異世界人と初めての出会いに気をとられて俺は一つ忘れていた。
____この世界は地球程優しくないという事を。
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ルイスはこんな性格になる予定じゃなかったのに・・・