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14,魔法講義と驚愕の真実

 ___以上が私の知る魔法についての知識です。何か質問はありますか?」


 あれから二時間程過ぎてようやくアーシェさんの魔法についての講義が終わっ

 た

 この世界の魔法はMPを消費するだけでは魔法は発動しないらしい。

 使おうとする魔法についてある程度の理解がなければ発動せず、最悪魔法暴 

 走してしまうみたいだ。

 だが一定以上の理解さえあればどんな物理法則すらも捻じ曲げられるそうだ。

 そこでふとアーシェさんにアレが使えるか訊いてみる。

 

 [アーシェさん、少し気になったのですが土魔法で石を金に変えたりとか出来ま

  すか?]

「いえ、残念ですが私の知る限りではそんな魔法は知りません。

  タスクさんの故郷では可能なのですか?」

 

 錬金術はないのか・・・だがまだ見つかっていないだけかもしれない。

 けど俺はそんな知識は持ってないから誰かが見つけるのを待とう。


 [俺の故郷では、詳しい方法は知らないですけど出来たはずです。

  ただ天然の宝石とは違い、キラキラ光ってはいなかったですけど]

 

 それ以降は特に質問もなく、実際に魔法を使ってみる事になった。

 (岩乗さんじゃないけどやっぱりわくわくするな。

  ・・・他の転生者達は上手くやっているだろうか?)


 ふと岩乗さんの事を思い出し、生き抜いているか心配になる。

 だが一番ヤバイのは自分である事に気付き、まずは魔法を覚える事に気合を

 入れる。

 だがタスクが考え事をしている間に、レイスが先に魔法を使い始める。


 「火よ、我が行く道を照らせ。灯火ライト

 レイスがそう詠唱すると、レイスの尻尾の先にロウソクについている火と同じ

 大きさの火が現れる。


 「まだ少し小さいわね。これじゃまだ次の魔法は教えられないわ」

 アーシェさんはレイスの魔法を見てまだ鍛錬が足りないと告げる。

 レイスは悔しそうに俯くが直ぐに顔を上げて反省をし始める。

 

 「次はタスクさんの番ね。一応一通りの属性を試してみましょう。

  まずはレイスと同じ火魔法の灯火からやってみましょう」

 ついに俺の番が来た。レイスと同じ詠唱をする。


 [火よ、我が行く道を照らせ。灯火ライト

 だが、何も発動しない。これはどういう事だろう?アーシェさんの方を見るが


 「・・・適正がなかったかもしれませんね。他の属性も試してみましょう」

 目を逸らされながらそう言われる。少し落ち込むが直ぐに別の属性を試して

 みる。


 ・・・だが結局どの属性も発動する事は無かった。

 流石にこれは想像もしていなかった。アーシェさんにこういう事もあるのか

 訊いてみると、

 

 「この世界に存在する以上、適正がないなんて事は有り得ない筈ですが・・・

  ステータスを鑑定してみて下さい。恐らくMPが減ってないと思いますが」

 アーシェさんは困惑し、少し考えを纏めるとステータスを見るように言われる

 確かにMPは減っていない。その事をアーシェさんに伝えると、


 「やはりそうですか。MPが減ってないという事は魔法が発動していないという

  事ですが恐らくタスクさんは私達以上にそれぞれの属性全てにかなりの理解

  はあると思うので、適正があったら絶対に発動する筈です。

  そして適正がない事は絶対にありえません。この二つから考えると一つだけ

  答えが出てきます」


 言い出しにくい事なのか、少し躊躇うが直ぐに決意した顔で残りの言葉を

 アーシェさんは告げる。

 

 「私の考えが正しければ、タスクさんの念話による詠唱は詠唱だとは言えない

  のではないのでしょうか。

  念話は対象に自身の思っている事を伝えるスキルです。

  そして魔法は自身の体内や周囲の魔力に意思を伝える必要があります。

  念話では魔力に意思を伝えられないのではないかと思います」


 ___どうやらこの世界は、スライムに対してかなり厳しいらしい


 

分からない事があれば聞いてください。

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