1.いつもの朝
_ジリリリリッ
目覚ましが鳴り響き窓の淵にいた雀が飛び立つ。
それを眠い目をゆっくり開けながら眺め、目覚ましを止める。
時刻はまだ六時。
後、二十分は寝れるなと再び布団にくるまる。その時、部屋の扉が開き
「お兄ちゃん、朝だよ!起きろ!」
と言う声と共に布団が剥ぎ取られる。季節は初夏だから寒くはないが流石に布団
無しで二度寝をする気にはなれなかった。
俺は体を起こし布団を剥ぎ取った犯人を睨みつける。
「・・・まだあと少し、寝れたんだが」
「少しは余裕持って行動しないとだめだよ?
昨日はみんなお兄ちゃんのせいで学校に着くのギリギリだったんだから」
俺は昨日のことを思い出し顔を顰める。
「・・・とりあえず着替えるから、出て行ってくれ」
「それじゃ、また後でね」
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着替えた俺は朝食を食べる為にリビングに来た。
既に俺以外は飯を食い終わっているようだ。
「母さん、父さん、おはよう」
「あら、おはよう。今日は早いのね。」
「・・・おはよう」
俺は澄桜将特徴らしい特徴は殆どない何の変哲もない高校二年生だ。
すぐに返事を返したのは母親の澄桜美久茶色がかった髪に茶色の髪の美人だ。
少し間が空いて返事をしたのは父親の澄桜蓮二会社に勤めているサラリーマンで
息子の俺から見ても黒髪黒目のイケメンだ。
「二度寝しなかったみたいだね、お兄ちゃん。これなら時間の心配はいらないかな」
こいつは妹の澄桜円華。黒髪に茶色がかった目をしていて兄である俺から見ても
美人に見える。成績優秀で運動神経抜群で性格は明るいのだが、細かい所が大雑把なのが玉に瑕だ