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あの日俺の運命が変わった  作者: バイパーゼロ
4/5

狂気

さて、2人の人を殺してようやく自分の中の何かが目覚めたと思い始めた頃だった。

脳裏にはこんな事が浮かび上がって巣食い始めた。

「人間って余りにも脆いし、すぐ死ぬんだね。幸せって簡単に奪えるんだし、これほど楽しい事は無い。」

今思うとまさに狂気だ。そう、俺は狂気の塊だった。人間の心の闇が産んだ狂気そのものだった。

三人目を殺したのは棚橋を殺してから3週間後くらいだった。次のターゲットは兄だった。おかしいだろ。血の繋がった兄を殺すんだ。でも、後ろめたい気持ちは無かった。

あいつは国立大卒のエリートたということを俺に対し盛んに自慢していたし、自分とお前は格が違うと言いだした。

元々こんな性格ではなく、温厚な性格だったんだが、俺が落ちぶれて以来人が変わったようでそんなクズに成りやがった。

兄を殺したのは俺が実家に帰って3日程滞在してからだった。実家は確かに懐かしかったが、数年前とは違っていた。

俺を見る目がだ。父も母も、親戚達も笑顔で向かえてくれたが、作り笑いなのは見え透いていた。

何で分かるのかって?簡単だ。瞳の奥に怒りと侮辱の色が見えたからだ。

さて、兄貴を殺した時の事を思いだそう。

あれは確かアイツが酒の勢いで本音を語りだした時の事だった。

出向先の上司が酷いだの部長がクズだの、こき使われてるだの言い始めたのを見てこれはチャンスだと実感し、それと同時にざまぁ見ろと心の中で笑った。

チャンスとはそういうものだろう。古来、成功した人間達はチャンスを見極め、己を信じて実行してきた。

その時の俺はまさしくそれだっただろう。

奴が眠っている隙に俺は台所から包丁を取り出してきた。無論、今までのように10枚近くゴム手袋をはめて指紋対策をし、奴の手に握らせると、心臓を突き刺した。

心臓の鼓動がだんだん小さくなっていく。この感触ほど気持ちの良いものはない。

やがて奴の鼓動は止まった。

家族と親戚には始発で帰ると伝えておいたからすぐ家を出た。

その後、周囲で俺が殺したのではないかとささやかれたが、適当にごまかした結果、自殺という結論になり、騒ぎは収まった。

しばらくして兄貴の葬式が開かれたが適当な理由をつけてサボった。

何をしてたかというと兄の不幸を喜びながら昼日中から一人宴を開いていたんだ。

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