人を殺すという快感
さて、俺を貶し続けた連中の元締めを殺してから俺は人を殺す事に喜びを感じ始めた。
こんなこと言うと世の人間は驚くだろう。
まぁいい。人を殺すのがどんな事かは殺した人間しか分からないからな。
さて、俺が課長を奴の家の近くで殺した次の日の事だった。
俺は同期の友人、棚橋裕太に一緒に酒を飲まないかと誘われた。もちろん喜んで誘いに乗った。奴は聞く所によると部長に昇格して絶頂にあるらしかった。これだけで虫唾が走った。
ならば俺が上り坂を一気にドン底まで蹴落としてやろうと思った。もちろん命を奪うことによってな。それだけで心が踊った。
俺と棚橋は新宿駅の近くの居酒屋で夜の11時頃まで酒を飲んだ。奴は元々下戸だが、楽しそうにしていた。もちろんこの後友人に殺されると知らずにな。
居酒屋を出ると棚橋は俺の家で飲み直そうと言った。俺は快く了解した。奴を殺す絶好のチャンスだからだ。
家に着く棚橋はまず風呂に入ると言った。
奴が風呂に入ったのを確認すると俺は先日のようにゴム手袋を7、8枚重ねてはめた。そして、洗面台にあったカミソリを手に取った。
そっと風呂場の戸を開けると奴はくうくうといびきをかいていた。しめたと思った。
奴に近くと右手にカミソリを握らせ、腕を掴んで左手首の脈を思いっきり切った。体がピクンと動いてドキっとしたがそのまま再び眠って胸を撫で下ろした。なんて馬鹿な野郎だ。自分が切りつけられたのに気づかず眠むるなんて気が知れない。
さて、切りつけた左手を湯を張った浴槽に沈めると俺はバッグからメモ帳とボールペンを取り出し「先に帰る。今日はありがとう」と書いてテーブルに置いた。
翌日、警察が捜査を始めたが、適当に話を作り上げて偽装し、自殺という事で迷宮入りした。
この時、完全犯罪で人を追い詰めるという一つの楽しみができた。できることなら俺を苦しめた全ての人間を完全犯罪で殺したいと思った。
その時から俺にとって人殺しは「罪」ではなくて「快楽」になった。最高の娯楽だと思ったよ。




