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雨の日のラブレター

作者: 水紅

雨の日のラブレター


「雨かぁ」

少女は降りしきる雨をぼんやり見ながらつぶやいた。今日は大事な日。

あの人に渡すラブレターを持って、教室で待った。約束の時間まであと1時間。

時間が迫ってくるたびに、緊張と不安が交互に押し寄せてくる。

「はぁ 早く来ないかなぁ」

少女はあの人が来るまでずっと待っていた。しかし、約束の時間が過ぎてもあの人が来ない。いくら待ってもあの人が教室にやって来ない。

「キーンコーンカーンコーン 教室にいる人は速やかに下校してください」

と下校を知らせる放送が流れた。

「そろそろ帰らないといけないなぁ」

少女の声が暗い。表情も……

あの人に告白する勇気を持って今日の日を選んだが、あの人は私の前に現れなかった。

今にも泣きそうな顔をしていたが、誰かに見られると恥ずかしい。少女は手で涙を拭きとるとカバンを持って教室を出た。

ゆっくりと歩きながら下駄箱に向かって歩いていく。

暗い夜道を歩いているかのように私の心は暗く、悲しみに満ちていた。

そして、下駄箱から靴を取りだすときにひらりと手紙が下に落ちた。

「なんだろこれ?」

疑問を持ちつつも手紙を取って、差出人を見るとあの人からであった。

少女は戸惑いながらもゆっくり丁寧に手紙を読んでいく。手紙にはこう書かれていた。

「少女へ 今日行けなくてごめん 僕に話があると言われた時はドキドキした 正直僕にとって君は高根の花だったからとてもうれしかった だけど僕は明日親の事情で遠くに転校することになった 君に会えないとなるとすごく悲しく、別れるのがとてもつらくなる しかし、これが現実である以上受け入れないといけない だからこの手紙に僕の気持ちを書いておく 君が見てくれるかわからないが僕は君が見てくれるのを信じている 君のことが好きと 僕は初めて君に出会ったときから好きと…… もし君が僕のことが好きでいるなら2年間待っててください 僕は必ずこの街に戻ってきます あの人より」

少女は泣いていた。悲しくて泣いているわけではなく、うれし涙であった。

「よ、よかった〜 私嫌われてなかった」

少女の不安は心の中で消えていった。そして、自分のラブレターを見る。

「これは2年後に渡すかぁ〜」

と言って、自分とあの人の手紙を大事にカバンの中に入れて外に出る。外に出ると雨が止んで、大きな虹が出ていた。少女は虹に向かって歩いて行った。

数年前に作った作品を載せました。


ちょっと緊張しますが、アドバイス等がありましたら遠慮なく感想の方に書いてください

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