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セーラー服と雪女Ⅸ 「超時空の魔女」  作者: サナダムシオ


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3/22

③ わずかな副作用

「それに何だか髪も茶色っぽいし、肌も前より白くなったような…」

 鷹志に指摘されたことは、全て的確だった。


 自分でも分かっている。まずコレが副作用の一つの現れなのだろう。

 何だかスーパーサイヤ人みたいな変化だな。そう思ったら、雪子はまた笑えて来た。この笑い上戸みたいな気分も副作用なのかしら?


 そんなことを考えながら彼女は鷹志とともに、2階の会議室に入る。

 すると室内では、酒井弓子がコーヒーを煎れて待っていた。

 隣のビルで、時空監察局の副局長をやっている彼女まで、心配してわざわざやって来ていたのだ。


「あら、貴女まで。」

 雪子が言うのと同時くらいに、弓子も口を開いた。

「大丈夫なんですか?なんか怪しげな薬を使ったって聞きましたけど…。」


「副所長は副局長にどんな説明の仕方をしたのかしら?」

 座席に座りながら、雪子はちょっと鷹志をにらんだ。

「いや、得体の知れない物にどんどん手を出す人だなあって…。」

 横に座った鷹志は、さして悪びれもしない。


「まあ、そうだけどね。私は昔から、❝火中の栗を拾う❞性格なのよ。」

「ですよね。」

 雪子の前に座った弓子までそう言う。

「だって人生、やらずに後悔するより、やって後悔したいじゃない?」

「分かります。私はやらずに後悔してばかり。」


「そんな貴女に朗報です。」

「何ですか?いきなり。」

「この後、雪村をここに呼んであります。貴女も呼び出すつもりだったの。」

「ええっ!?」

「好きなんでしょ?告白しなさい。」


「そんな、いきなり、急に。」

「急じゃあ無いでしょ。だって、ずっと好きだったんだから。」

「そう…ですけど。」

「命短し、恋せよ乙女よ。」

「…それ、大正時代の歌ですよね?」

「この間、ちょっと行ってカジって来たの。まあ事ここに至っては、私には無縁の言葉になっちゃったけど。」


「じゃあ、僕は用済みみたいなので、席を外しますね?」

 鷹志が腰を上げて部屋を出る。

「色々ありがとう。心配かけてごめんなさい。」と雪子。


「お二人だって、仲良さげじゃないですか。」と弓子。

 すると、それに対して、二人の声がユニゾンになって帰って来た。

「いやいや、ビジネスパートナーだから!!」


 雪子が雪村を呼び出したのは本当だった。

 確かに弓子とのことも気がかりだったのだが、雪子はもう一つ、確かめておきたいことがあったのだった。


挿絵(By みてみん)


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