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第6話

その日、大国アベスティア王国はとても賑わっていた。


というのも、第二王子アルベーユが先日成人の儀にて現国王と同じ光の属性(SS)と火の属性(A)、風の属性(A)を得たことで正式に時期国王として初の国民へ向けたお披露目が1か月後に迫っていたからだ


「あの出来損ないのせいで少し心配していたが.......お前はまさによくできた私の息子だ」


「はい!私は真にあなたの血を引いるのです。あの無能のような無様を晒しはしません!!」


あの男.....それは間違いなくナーユの事を指しているのだろう。


「それでは一か月後。お前は正式に私の後を継いでこの国の王となる。残り少ない時間。思うがままに過ごすといい」


「ありがとうございます。では、私は未来の妃の元へ赴きます」


「あぁ、ヴェリアルインの一人娘か。しかし、よかったのか?いい女なら他にも五万といるだろう」


「とんでもない。彼女がいいんです。」


「そうか。なら好きにしろ」


「はい。では、失礼します」


そういって、玉座の間をあとにする


しかし、彼らは知らない人種の滅亡のカウントダウンが動き始めたことに。この国がその最初の犠牲者となるということに。そして、この二人が無能と呼んだ男がそれらを齎すということに



♦   ♦   ♦   ♦   ♦

一方その頃、ユグドラシルとナーユはというと

「え、え~と.....ユグドラシルさん?」


「そんな他人行儀な呼び方しないで。ちゃんとシルって呼んで//」


「じゃ、じゃあシルさん。なんで僕の足の上に乗るんだ?」


現在、ユグドラシルは胡坐をかいて座っているナーユの上に座っている状態だ


「さんも不要なんだけど.....まぁ、いいわ。それで旦那様はこれからどうやって人種を滅ぼすのに協力してくれるのかしら?」


「だ、旦那様?............あぁ、それに関してなんだけど.....ちょっとごめんな」


「え?.........キャ!///」


前触れもなく急にユグドラシルはお姫様抱っこをされ身近な可愛い悲鳴を上げる。


「世界を渉れ『異世界転移』」


そんなことはお構いなしにナーユは空中に手を掲げ収納魔法を改良してできた魔法だ。自身の魔力でマーク付けた。場所なら世界の果てまで瞬時に移動できる魔法だ(試したことはないけど)。その性質上時空間魔法と名付けた。


(実はこの時空間魔法は想像以上に便利なもので他の属性魔法も多用すれば......)


「わぁぁ~~~!」


その眼前に広がったのは緑豊かな草原に、湖。上を見上げれば空すらも広がっている


「こ、これが外の世界......久しぶりぃ~~」


「いや、ここはダンジョンの外じゃないよ」


「え!?」


そう、ここは時空間魔法によってナーユが作った別世界《もう一つの世界》なのだ。


「いうなればもう一つの世界。異世界アナザーワールドといったところだな」


その瞬間ユグドラシルはゾッとする。

(世界創造!?そんなの.....お母さんと同等の力の持ち主ってことじゃないの!?)


そう、本来世界を想像するなど不可能。それこそ、女神ノアと同じ御業を人の身でありながら成しえたのだ


「あ、あなたは........」


「ん?どうした?」


「いえ、何でもないわ」

(これは、ゆっくり自身の力の強大さを理解してもらわないといけないわね)


震える手をそっと後ろに回し、ユグドラシルはそう考える


「それで、ここで何をしようっていうの?まさか二人で楽しいピクニックでもするのかしら?」


「えっとな~.......あ、あった。これな~んだ」


そう言ってポケットから取り出したのは一つの魔石


「それは.......スライムの魔石かしら?」


「正解!この魔石はこのダンジョンで最初に手に入れたスライムの魔石だよ。じゃあ、次に子の魔石に僕の魔力を注ぎます。そうして次にこれを核としたスライムを創成します」


「は?」


「それじゃあ.......我が魔力喰らい、配下となれ!魔物生成モンスター・ジェネレート


その瞬間、魔石を核に直径80cm程のスライムが完成した


プルン、プルンッ!


「はい!いっちょ上がり」


(あ、ありえない......人の身で生物を生み出すなんて.......)

「って、世界を作っちゃうくらいだし今更....だよね」


ユグドラシルは考えることを放棄した



♦   ♦   ♦   ♦   ♦

「まずはこれで一階層分完成だな」


数時間後、ナーユとユグドラシルの前には6年前に一階層で狩りつくした全てのスライムが今度はナーユの配下となった


「こうして見るとすごい数だね。弱いとはいえ全て倒すのに時間かかったんじゃない?」


「え?全然だよ。聖剣ぶっ放すだけで死んでいくからね。瞬殺だよ瞬殺」


「そーだよね、瞬殺だよねー」


あははは......と笑うナーユの顔を見るユグドラシルの目はどこか遠くを見ていた


・・・・・・・・・

~~1日後~~

「まぁ、このくらいいれば王都くらいは落とせるだろう......」


そう言い、ほぼ徹夜で行われた作業を終了させる(本人は時間間隔がバグっているのでわかっていない)


「ふわぁぁ~~......もうできたの?」


ナーユの声にそれまでナーユが創成したベッドで眠っていたユグドラシルが起きてくる


「あぁ。本当は元親父殿対策にフェンリルは起こしておこうと思ったけど.......アイツとは直接カタを付けたいからいいや」


「フゥ~~ン......それじゃいこっか」


「そうだな。....ってどうやって出るんだ?」


ズデェ~ンっとさながらその道十数年のベテラン芸人のような鮮やかなズッコケをユグドラシルはかます


「おぉ、綺麗なズッコケ.....」


「そ、それは知らないのね.......コホンッ!ここから出る方法は簡単。私が封印されていた棺。実はあれがこのダンジョンの心臓部コアなの。それを破壊すれば晴れてこのダンジョンの完全攻略。このダンジョンは崩壊。私たちは外に出されるわ」


そう言って今は空っぽの棺を指さす。


「へぇ~そうだったんだ.....じゃあ聖剣で!」


そういい、聖剣で思い切り棺をたたき割る


「流石ね。この棺、おそらくアダマンタイト......つまり世界最高硬度。破壊不可能な物質だったはずよ?」


「............?」


「どうしたの?」


聖剣を見つめるナーユを不思議に思い声をかける


「いや、何でもない.....」


そう言って剣を鞘に納める。

棺を壊すとダンジョンは徐々に崩壊をはじめる。その所為か視界が揺れ始め、ナーユとユグドラシルは光に包まれるたのだった

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