第二章 襲撃
この老夫婦の家に来て1年が経った。
住んでいくうちに分かったことが2つある。
1つはここ、ルージアはこの国の中央地区の物がまったく来ないこと。1年に2,3回商人が来たり来なかったり。
なにやらここに来る途中の峠に大きな魔物がでているらしいから、商人も命懸けだそう。
2つめはこの国の政治のことだ。5年に一度開かれる『最高権利者決定試験』で合格しないと政治にどうこう言うことができないので、すっごいまともな事を言っている人でも政治には参加できないらしい。そして試験には相当な量の金貨が必要で、試験に参加している人たちはお金持ちが多い。みんなこの政治に不満はないらしい。
そして僕はこのルージアでガールフレンドができた。
リーリアという僕の一個下の子だ。近くに住んでいる男の子たちはみんな彼女が好きだというが、僕はあまり女の子に接した事ないからよくわからない。たくさん僕にツッコミを入れてくる女の子だ。
もともと読んでみたかった『本』をおじいちゃんにたくさん買ってもらって、僕はこの地方1番の頭の切れる子供になった。
と、いうわけで僕はこの1年何不自由なく過ごしてきた。
「テイム!大変!!また大通りに魔物がでたの!」
リーリアが焦ったように走ってきた。
「リーリア、ここに出てくる魔物はそこまで強くないんでしょ?リーリアだけで倒せるでしょ。」
僕は落ち着いて言った。「私か弱い女の子なんだけど!?」とリーリアがツッコんできた。最近、ルージアで魔物がよく出ている。が、結構弱くて鉄の棒で5回ほど叩けばすぐダウンするから、リーリアならすぐに倒せるはずだ。
「でも、、今回のは結構手強くって、、魔法がないと、、倒せなそうだから、、」
さっきのツッコミでは全く感じなかったが、リーリアはここまで全速力で走ってきたらしく、ひどく息を切らしていた。
「わかったよ。一緒に行ってみよう。」
しょうがないな、と言わんばかりの顔をして、
僕はリーリアと一緒に大通りへ向かった。