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第10話 油断をしていると事件は起きる


 僕が夢に向かって前を向き始めてから、僕の生活は目まぐるしく変わった。

 桜庭とLineが出来ない事が滅茶苦茶不便に感じた僕は、母さんに頼んでスマホに機種変更をした。

 そしてゲームとパソコンの環境を整えたり、Discodeを入れて桜庭とゲームの特訓をしていた。

 まずは僕が桜庭の特訓に付き合う番。


 桜庭がプロゲーマーとして活動しているのが《ADEX》という三人チームを組んで、最後のチームになれるように生き残るというものだ。

 僕がやっていたゲームのように壁貫通の武器とかはなかったが、立ち回りは僕の経験を活かせそうだった。

 エイムに関してはもう練習しかないのでひたすらプレイしてもらうしかないけど、練習方法も教えたし、どういう思考で索敵するかとかを教えてあげるとみるみると上達していった。

 Discodeでプレイ画面を表示してもらいながら、僕はそれを見て一試合ずつ問題点や良かった点を指摘していった。

 しかし、桜庭は普通に筋がいい。

 FPS界隈で女性が活躍している話はあまり聞かないけど、桜庭の腕は十分に通用するレベルだった。


 次に僕が格闘ゲームを桜庭から教えてもらう番。

 事前にトレーニングモードで教えてもらい、二人で対戦をしまくって徐々に腕を上げていった。

 こうした方がいい、ああした方がいいと二人で意見を出し合い、動画で見た知識を二人で実践したりととても充実した時間を過ごしていった。


「桜庭、迂闊だな! それは対空で落とさせてもらう」


「ちょ、橋本君! 私の思考読まないでよ!!」


「お前はちょっと行動素直過ぎるんじゃない?」


「きぃ、ムカつくぅぅ!!」


 アーケードコントローラーでプレイしていると、確かに右腕の負担が非常に少なくて助かる。

 ただ、攻めている時に攻撃ボタンを連続で押し続けているとたまに痛みが走り、その隙を疲れてボコボコにされてしまう。

 どうやら僕は、あまりガンガン攻めすぎるプレイは出来ないようだ。


「くそっ、この右手が忌々しい」


「でもかなり強いと思うよ!」


「うーん、桜庭にやられる程度じゃ、まだ満足できないよ」


「……何気に私をディスってきたね」


 右手のハンデとどうやって付き合っていって、勝てるようになるか。

 目下桜庭と一緒に研究中だ。

 桜庭に関しては、FPSのプロゲーマー活動をしつつ、格闘ゲームにもチャレンジすると発表をし、大手ゲーム情報配信サイトでも大きく取り上げられていた。

 お互い一からのスタートなので、同じスタートラインに立つ者同士で日夜研究を重ねていた。


 とても楽しくて毎日が充実していて、生きていてよかったって心から思っていた。

 両親と咲奈もすごく喜んでくれていて、三人とも見るからに元気になってくれていた。

 たまに僕と桜庭の通話に割り込んできては、皆でガヤガヤ雑談する事もある。

 桜庭のご両親も乱入してくる事があり、最初の頃はひたすら感謝されていた。


「"NEO"さんのおかげで、奏は今こうして生きていられます。本当にありがとうございます」


「い、いえいえそんな! 僕は大した事はしてないですし……」


「"NEO"さんの事情は娘から伺っています。どうか娘をガンガン使ってください!」


「使ってって……」


 なんか全面的に信頼されていて、逆に恐縮してしまう。

 まぁこんな事があって、今や桜庭家と橋本家の家族ぐるみの付き合いがあるまでに発展してしまった。

 ……人生何があるかわからん。









 とある日、学校でちょっとした事件が起きた。

 それは、桜庭が僕を除いたクラス全員からシカトされるようになった事だった。

 何故このような事が起きたのかというと、前日にイケメンで有名な小敷谷(こしきや)先輩から告白をされた桜庭だったんだが、それを断ったそうだ。

 それから何故かクラス全員からシカトされるようになってしまったんだ。

 僕は元から目立ちたくないので学校では誰とも話していなかったんだけど、あんなに桜庭に寄って来ていた人は皆桜庭を汚物を見るかのような目で見ていた。


「おはよう!」


 桜庭が元気よく挨拶するが、誰も返さない。

 僕も桜庭も、この時は何でこんな事になったのか、冗談抜きで理解できなかった。

 まぁすぐに元通りになるだろうと僕達は踏んでいたんだけど、ずっと続いたままだった。

 その間、僕は桜庭とメッセージでこの話題に触れていた。


『私、何かしちゃったのかな……』


『思い当たるとしたら、そのなんちゃら先輩を振った事くらいだろう?』


『それしか思い当たらない』


『でも、橋本君がLineで話し相手になってくれてるから、大丈夫!』


 そして文章にはハートの絵文字が大量に貼られていた。

 強いな、桜庭は。


『とりあえず、様子見でいいのかな?』


『私は様子見でいいと思う』


『うーん、桜庭がそれでいいならいいんだけど』


 こんな感じで、学校にいながらもLineではしっかりと桜庭と会話をしていた。

 授業以外は普通にゲームの話をしたり、雑談をしたりと楽しんでいた。

 しかし、この翌日、何故桜庭がシカトされているのかが判明する。


 僕が登校して自分の席で昨日機種変更したばかりのスマホをいじり、youtubeで《デスV》の対戦動画を観ていた時の事だった。


「桜庭さんって、小敷谷先輩をこっぴどく振ったんだよね!」


「そうそう、かなり上から目線で罵ったらしいよ」


「人格否定したんだって?」


「それ、私も聞いたよ! 小敷谷先輩がメッチャ落ち込んでたって」


 ふとクラスメイトの女子数人がそんな話をしていた。

 はて?

 僕が桜庭から聞いた話だと「好きな人がいる」って言ってやんわり振ったらしいが?

 むしろその小敷谷先輩が相当しつこくて、何度も丁寧に断ったけど聞いてもらえずに最後は逃げてきたそうだが?


(……ふーん、なるほどね。小敷谷先輩が振られたのが悔しくて、ある事ない事を何らかの方法でばら撒いたって感じかな)


 まぁ想像でしかないけど、恐らくそれが正解なんだろうな。

 直接桜庭に被害がいかないならいいんだけど、なんて思っていたが、ここまでする奴は本当に徹底して物事を大きくする。

 何気なくtwitterを開いてみたら、トレンドに上がっていたのは桜庭の名前だった。


『桜庭奏、同級生の男子を人格否定する』


 すでにニュースの記事にもなっていた。

異世界ファンタジー「田舎者弓使い、聖弓を狙う ――村一番の弓使いの英雄譚――」

を連載中です。

よければそちらもお読みください!

https://ncode.syosetu.com/n1225hz/



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