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12人の少女 最終計画  作者: ヤマネコ
始まり
2/164

2020 9/1(2)

よろしくお願いします。

夏休みが終わり二学期に入った。久々に出る外は太陽がギラギラ輝いて空は青い。家族以外の人間を見るのは久しぶりで少し驚いてしまった。


理科(そういえばこんな人がいたような…)


通り過ぎる人、視界に映る人を見て観察するが数十秒後には全く覚えていないだろう。


理科(なんたって毎日通っている教室の人と名前が一致しないくらいだからね)


理科は一年生の2学期後半あたりまでは教室に行って授業を受けていたが、どうしても居心地が悪くて3学期から保健室登校を中心にしていた。時々学校を休んでいたので実際最後に教室に行ったのはいつか覚えていない。


目に映る光景が懐かしくて時々足を止めてはそれをじっくり見るのを繰り返していると腕時計が鳴っているのに気づく。


理科


時間を見ると今から走ってもギリギリ間に合うかどうかだった。


理科「運動不足解消には丁度いいかも」


早歩きをして足を慣らした後、走って学校に向かった。




学校に到着したがあることに気付く。


理科(…人が全くいない)


もう始業式の時間が始まっているからそれも当然だろう。自分以外にも遅刻した人はいないか周りを見てみるが、制服を着た人は自分しかいなかった。


理科(保健室登校にしているからそこまで気にしなくても良いけどさ)


校舎に入って自分の下駄箱に向かう。カバンから今まで使っていたのを洗った上履きを袋から取り出して革靴を袋に入れてカバンにしまう。


そのまま保健室に直行するが自分の周りから全く音が聞こえなかった。全学年の生徒が校庭に集まっているだろうから静かなのも全く不自然ではないが…。校庭からマイクを通した声が全く聞えなかった。


1学期の始業式は保健室登校にしたけど、保健室前の廊下でも離れている校庭で話している声はうっすら聞こえていたが…。もしかしたら騒音問題となって音を以前よりも小さくしているのかもしれないと考え保健室の前まで来た。


扉をコンコンとノックする。中から声が聞こえなかった。


理科(…誰もいないのかな)


遅刻した自分が悪いから誰もいなくても文句は言えない。扉を開けると室内には誰もいなかった。


理科「あれ?」


中に入り、奥の方も見渡すが保健室で休んでいる人はおろか先生誰一人もいない。


そのまま普段自分が使っている自習スペースの机を見ると白い便箋が一つあった。そこにはこう書かれていた。


【2年A組 朝倉理科へ。 この手紙を持って体育館に来ること】


それを手に取るが誰が書いたのか分からなかった。保健室の先生の筆跡ではなく見覚えがなかった。もしかしたら遅刻した自分に違う生徒が先生に言われて書いたのかもしれないと考えて指示されていた通りに手紙を持って体育館に向かう。


理科(そうか。体育館で始業式をしているのか)


なんか静かだなぁ~と思っていたが納得した。体育館でしているなら静かなのも納得だ。


肩にかけているカバンを一瞬浮かせてかけ直す。


廊下には自分一人の姿しかない。他の生徒が一人くらい見つからないかなと思っていたが誰とも遭遇しなかった。カツカツと歩いきながら窓から見える教室の中を見るとあることに気付く。


机の横にかけているはずのカバンが一つもない。


理科(…?)


試しにほかの教室の机の横を見てみるが、カバンが一つも置かれていなかった。始業式の日は、カバンを教室に置いてから鍵で閉めて校庭に向かうことになっている。一つの教室だけならともかく…。見る限り他の教室全てにカバンが無かった。


理科(もしかして…登校日を間違えた?)


仮に間違えたとしていても、体育館に来いと書置きがあったので向かう。


体育館前に到着したが…全く話し声が聞こえない。


更におかしなことを見つける。


体育館の入り口にある扉だが…前授業で来た時と全く違っていた。ボロボロの扉で建付けが悪そうだ。開けたらギシギシと耳が痛くなりそうな音が鳴りそうだ。


なんか変だなと思いながら重い扉を開けると案の上ギシギシと引きずる音が鳴った。絶対注目を集めてしまったと思いながら中を見るとそこは私の知っている体育館の中ではなく、11人の生徒が席に座っていた。


評価・ブクマよろしくお願いします。

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