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12人の少女 最終計画  作者: ヤマネコ
始まり
10/164

2020 9/2(1)

よろしくお願いします。

理科は鳴っている目覚まし時計のボタンを押して時刻を見る。午前7時になっていた。


理科「ん…」


まだ布団にくるまって目を瞑りたいと身体が布団から離れないが、学校があることを思い出してモソモソと布団から抜けて、顔を洗うためいつも使っている洗面所に向かおうと扉を開ける。


理科「…んぁ?」


見慣れない光景が広がっていた。まるでホテルのエントランスのような…


理科「…あぁ。そうか」


昨日からこうなっていたな。そのまま廊下を歩いて、洗面所のある場所に向かう。


洗面所には奈那子がいた。彼女は上体を傾けて顔を下に向けて両手で水を掬って顔にバシャバシャとかけている。後ろから見ると、お尻を少し突き上げているのでズボンに下着のラインがうっすらと見える。


理科(見なかったことにしよう)


それから奈那子が顔をタオルで拭いているところを見ていると、鏡越しに彼女と目があった。


奈那子「はい、どうぞ」


奈那子は飛び散った水を拭いたタオルで拭きとり乾燥機の中に入れるとそのままスタスタと歩いていってしまった。特に話すことも無かったとは言え、素っ気ないなと感じながら自分も顔を洗い始める。理科は特に化粧とかしないので、すぐに作業が終わった。


理科(というか、12人の中で化粧とかを気にしているのは奈那子さん、楓さん、瀬奈さんくらい…だったかな?他の人は特に気にしているところは無かったような…?)


どうでもいいことを考えながら軽く寝癖がないか確認していると、宮永がやってきた。


宮永「あ、朝倉さん。おはようございます」


歩きながら挨拶してくる宮永に会釈をして、洗面所からいなくなろうとすると会話を続けてきた。


宮永「朝ごはんが出来ているようですから、食堂に向かってくださいね」


理科の返事を聞かず洗顔を始めた。理科は短く「はい」と答えて洗面用具を片付けて食堂に向かう。


食堂には既に他の人がいて朝食を摂っている。食卓は円形で、椅子には数字が書かれている。座っている人と番号を当てはめていると番号通りに座っているのが分かった。


理科(おむすびと…味噌汁か…。食べられそうなもので良かった)


食卓に置かれているご飯を見て安心しながら「12」の席に座り、改めて他の人を見てみる。


1 伊藤ルキ 

2 清水社巫女

3 星名メア

4 緋色沙耶

5 明坂絵美

6 瀬奈来夏

7 茅野亜李

8 

9 柊椿

10 柊奈那子

11 柊楓


理科(あれ…1人いない…あぁ、宮永さんか)


おむすびを食べながら味噌汁を啜っていると、宮永もやってきて席に座る。


宮永「皆さん起きるのが早いですね。いつもこの時間で起きているのですか?」


椿「なんか目が覚めてね~。いつもはもう少し遅いよ」


楓「私も普段はもう少し遅いです」


明坂「このご飯って誰が作ったの?」


緋色「私が食堂に来たら置かれていたよ」


茅野「沙耶が作ったってこと?」


緋色「いや。私は作っていないよ」


奈那子「じゃあ誰が作ったの?」


奈那子がそういうとさっきまでの談笑が一切なくなり静寂になった。


奈那子「……」


緋色「まぁ、変な味はしないし大丈夫でしょ」


茅野「そうね」


明坂「確かに」


宮永「え?抵抗無しで食べられるの? 私は食べるのが怖くなりましたけど」


瀬奈「うちも…」


星名「…」


伊藤「気になるならお菓子を食べればいいと思うぞ」


清水「え~、お菓子じゃちゃんと食べたことにならないわよ。しっかり朝ごはん食べないと1日持たないわ」


何人かは気にせず食べ続けて、何人かは置かれている料理を食べるのをやめて食卓から席を外して出て行った。


残ったのは、理科、伊藤、星名、清水、明坂、茅野、緋色、宮永だった。


緋色「大体食べるのを怖がるなら昨日の清水くらい取り乱すと思うけど…そうでもないのか」


清水「人それぞれだと思うよ?」


宮永「…学校行きます?」


明坂「行くでしょ?私たちはそろそろ受験だし」


茅野「こんな状況で受験を気にするの?」


明坂「生きてシナリオを終えたら結局受験をすることになるわけだし」


緋色「ぶっちゃけシナリオとか言われても、あまり関心が向かないしね」


清水「みんなはどこの学校を受験するの?」


宮永「私は○○学校にしようかと…」


茅野「そこって確か偏差値62とかだったような気がしますけど…」


明坂「美玖は成績良かったから問題ないでしょう。亜李は?」


茅野「私は△△学校にしようかな」


明坂「じゃあ私もそこにしよう」


茅野「私に合わせるのは辞めなさい」


明坂「でも行きたい学校も特にないんだよね…やりたいことも…決まっているわけじゃないし…瀬奈さんが羨ましいわ」


緋色「瀬奈?どうして?」


宮永「瀬奈さんは確かファッションとかデザインとかの専門学校に通うって言っていましたよ」


清水「宮永さんは瀬奈さんと仲いいの?確か同じクラスだったよね?」


宮永「そこまで接点はないですね。ただ昼休みとか、授業の間の休み時間とか真剣に雑誌とか見て友達と話し合っているところを良く見るので…比較的大きい声で話しているので所々話しの内容が聞こえてくるんです」


清水「へぇー…お洒落は大事だけど、学校に来てそこまでやるってあたりに何か執念というか…強い気持ちがあるのかな…」


緋色「そういう清水は椿と同じクラスでしょ?何か椿のことで知らないの?」


清水「知らないかな~」


そんな会話をしながら食事を終えて各自学校に行く準備をしていると清水が声をかけてきた。


清水「理科ちゃん、一緒に学校に行こう?」


理科「はい、いいですよ」


清水「やった~♪」


スマホでチャットが来ていないかを確認したらグループの方にいくつか書き込みをしていた。


柊椿『12人全員で学校に行かない?少人数で行くのは少し怖い』


柊奈那子『私も同感です』


緋色沙耶『いいぞー』


星名メア『分かった』


茅野亜李『はい』


明坂絵美『いいわよ』


…理科もチャットを打ちこむか迷ったがさっき清水が一緒に行こうと提案してきたし、自分がわざわざ言う必要はないと考え制服に着替え始めた。カバンに勉強道具を入れていると


理科(そういえばお昼ご飯はどうしよう)


朝ごはんは誰かが用意していたけど、お昼ご飯は用意されていなかったなと困っていると置いてあるパソコンの近くにティッシュ箱より少し小さい大きさの何かが布で包まれている。


布を取ってみるとお弁当箱だった。蓋を開けてみると、2段になっていて、下に白米、上におかずが入っていた。卵焼き、プチトマト、ブロッコリー、胡瓜、ミートボールなどが入っていた。


理科(…?」


箱に何かが付いていると思って剥がしてみたら、鮭のふりかけが付いていた。


理科(お昼ご飯の心配はなくなった)


お弁当もカバンに入れると何か視線を感じた。なんだと思って顔を上げると、昨日寝る前に置いた黒猫のぬいぐるみが横に倒れた状態でいて目が合った。


お弁当を取るとき、いつの間にかぬいぐるみに当たって倒してしまったのだろうか…。


清水から貰ったぬいぐるみを雑に扱うのは良くないと強く思い、元の位置に立て直した。


理科よし


学校に行く準備を整え、エントランスに向かった。


評価・ブクマよろしくお願いします。

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