90話 帰ってきた貴族の息子
???
おい、そこのお前
剣士
ん? どちら様だ?
貴族の息子
ぬああ! 僕だ! グランダーク! 庭師の所で会っただろう!
剣士
ああ、豚汁の人!
貴族の息子
おーい貴様! 何だその覚え方は!
剣士
お前こそなんだその「おーいお茶」みたいな掛け声
貴族の息子
掛け声じゃないわ! くくく、覚えてるか? 僕が去り際に言ったことを……男の尻を舐めるヤギ……ハイエース……う、頭が……!
剣士
自分で言って自分でフラッシュバックしてる
貴族の息子
ええい! 貴様の命もここからここまでだ!
剣士
範囲選択すな
貴族の息子
いでよ! 俺の腹心!
ーーがたいの良い男が現れた!
腹心の男
ふん
剣士
ごっついな
貴族の息子
ははは! どうだ! お前がこいつに勝てるのか?
剣士
勝てるが?
聴衆
(どっ、わっはっはっはっは)
剣士
こいつらも3年振りに登場してきやがった
聴衆
(剣士絶対殺す)
剣士
急に殺意向けられた!!!
貴族の息子
おい聞け! この腹心は握力が60あるんだぞ! どうだ恐れおののいたか!
剣士
平均のちょっと上くらいじゃねえか。そんなゴリラみたいな見た目してるのに
腹心
びくっ!
剣士
びくって自分で言うな
貴族の息子
はっはっは、まさかお前、握力の単位が60「㎏」とでも思っているのか?
剣士
え。ま、まさか、60t……?
貴族
いいや、60lxだ!
剣士
何で握力の単位が明るさなんだよ! ただのバカじゃねえか!
貴族の息子
ああ! また僕をバカにしたな?! おい腹心! 言ってやれ! お前が学校でゴリラと呼ばれて恐れられていることを!
剣士
それ若干バカにされてないか?
貴族の息子
そしてゴリラと呼ばれていることを少し気にしていることを!
剣士
じゃあ言ってやるなよ
腹心
切腹します
剣士
ちょっと待て! 早まるな!!
貴族の息子
ぐぁっはっはっはっは! どうだ! 怖いか!
剣士
怖いよ繊細過ぎて! なんだこのホタルみたいなゴ●ラは!
腹心
伏せ字でも効きます
剣士
ごめん!!
貴族の息子
ぐあああああああ! 貴様が怯えていて愉快だ!
剣士
何で一回攻撃喰らったんだよ
おいグランドピアノ
貴様の息子
グランダークだ!!
剣士
お前、そんな繊細なやつに頼らないと俺を倒せないのか?
貴族の息子
あ!?
剣士
そうだよな。俺とタイマン張る勇気もないからそんなデカい奴連れて来て
貴族の息子
はぁ、はぁ、敗北者ぁ……?
腹心
敗北者とは言ってませんよグランダーク様
剣士
男なら拳で決めるべきだろ。ほらかかって来いよチキン野郎!!
貴族の息子
ぼ、僕だって、僕だって、喧嘩くらいできるぁあああ!!
ーー貴族の息子は飛び出した!
剣士
いけ水の精霊
水の精霊
任せるのじゃ!
貴族の息子
え? ちょっと?
ーー突如洪水が襲ってきてグランダークは流されていった!
貴族の息子
貴様あああああ! タイマン張るんじゃなかったのか卑怯者ぉおおおおおおお……
剣士
悪は滅びる
水の精霊
割とお主の方が悪じゃぞ
終わり
水の精霊
剣士、ご褒美のチューは?
剣士
そんなものはない
水の精霊
じゃあお主も流れるのじゃ
剣士
え? うわっp!
ーー剣士も流されていった!




