45話 剣士と魔法使いの昔話
魔法使い
「剣士さん、そろそろワカメの話で絶頂を迎える季節ですよ」
剣士
「そんなシーズン無え。どうやったら海藻の話で己の限界を超えていけるんだよ」
魔法使い
「と、いうわけで怪談話をしましょう」
剣士
「ワカメも絶頂も1mmも関係ねえな」
魔法使い
「先行後攻ジャンケンドン! あー負けた。じゃあ剣士さんに先行譲ってあげますよ」
剣士
「誰とジャンケンしてたんだよ。俺全く動いてないんだが」
魔法使い
「これは少し昔の話になるんですが」
剣士
「そして譲る気ゼロじゃねえか。嘘ついて過去の自分に恥ずかしくないのかよ」
魔法使い
「そう、あれはまだティラノサウルスが歩いていた頃でした」
剣士
「さも当然のように7000万年前の話始めるな」
魔法使い
「私はその時、魔法使いではなくカジキマグロのソテーだったのはもう話しましたよね」
剣士
「初耳&初耳」
魔法使い
「何でですか! 毎日剣士さんが寝たあと鼻にマグロの赤身を詰め続けたのに!」
剣士
「ははっ! どおりで最近海を見ると涙が止まらなくなると思ったぜ。
あと常に赤い鼻水が出る」
魔法使い
「それもらっても良いですか」
剣士
「もうメルカリで転売した」
魔法使い
「お願いします譲って下さい狂戦士が身体で払いますから!」
剣士
「しょうがないにゃあ」
狂戦士の国選弁護士
「どうして私じゃ駄目なんですか!!!」
剣士
「ほーら六法全書だよぉ」
狂戦士の国選弁護士
「ベンゴベンゴォッ!」
ーー狂戦士の国選弁護士は海の牡蠣になった。
魔法使い
「で、話を戻すとカジキマグロのソテーだった私はとある茶道の家元でした」
剣士
「もう完全に時代バグってんじゃねえか」
魔法使い
「茶道の家元の大きな仕事の一つは大根をちぎってレンコンの穴に詰めることだっていうのも前話しましたよね」
剣士
「うん聞いた聞いた。ユニセフの事業の一環なんだよね」
魔法使い
「さっきトウモロコシが壁から染み出して来たんですけど食べます?」
剣士
「話をそらすな。お前は茶道の家元だろ」
魔法使い
「あ、剣士さん鼻から赤身出てますよ」
剣士
「心配するなこれは大トロだ。脂の乗りが良い」
魔法使い
「その後からケバブもだいぶ出てきてますね」
剣士
「天皇賞だからな。早くしろ。スシローの連中がやって来るぞ」
大トロ
「おや? 大トロの様子が」
剣士
「自分で実況するのか」
ーー進化に関わりそうなBGM
大トロ
「おめでとう、大トロは寺井さんに進化した!」
剣士
「やったあ!!」
魔法使い
「やりましたね! 剣士さん結婚しましょう」
剣士
「それは嫌」
おわり




