44話 勇者のトウモロコシ撲滅キャンペーン
勇者
「はああああああ! 全身からとんでもない力が湧いてきたああああ!」
魔王
「どうした急に」
勇者
「どうした急に、じゃねえよ! 油揚げかお前は!!!」
魔王
「本当にどうしたんだ……」
勇者
「いやお前も知ってる通り、今トウモロコシ撲滅キャンペーン中なんだけどさ」
魔王
「知らない」
勇者
「パスカルが中々力を貸してくれないんだよ」
魔王
「誰なんだ……」
勇者
「だから魔王! 俺と世界一周旅行のたびに出よう!」
魔王
「さっきから話が飛び過ぎだぞ貴様! 私がお前と行くわけないだろ!」
勇者
「じゃあ誰となら行くんだよ!!」
魔王
「そ、そうだな。お父さん、とか」
勇者
「フォッフォッフォッ、どうも魔王の父です」
魔王
「いや騙されるかッ!」
勇者
「さあ娘よ。私のちんちんを水墨画で写実的に描きなさい」
魔王
「父上はそんな事言わない!!
何だその要求!
美大の入試か!!」
勇者
「じゃあ逆にどんな事なら言いそうなの?」
魔王
「そう、だな……『立派な魔王になるんだよ』とか」
勇者
「フォッフォッフォ、どうもサンタです」
魔王
「私の父親はどうした!」
勇者
「何か欲しいご飯粒はないかい?」
魔王
「何でご飯粒限定なんだ!!」
勇者
「パン粉になりたくねえのか!!」
魔王
「なりたくないわ!」
勇者
「でもお前のお父さんってどんな人なの?」
魔王
「そうだな、優しくて、時に厳しくて」
勇者
「時にたんぽぽを耳に詰めてて」
魔王
「詰めてないわ! 貴様と一緒にするな!
あと、勇敢で、そして時に慎重でもあった」
勇者
「夕刊で新潮?」
魔王
「雑誌だそれは」
勇者
「他にもほしいの! お前のお父さんの特徴もっとほしいの!」
魔王
「……えー、後は犬が好きだったな」
勇者
「どうも魔王の犬です」
魔王
「変態だろ貴様は」
勇者
「どうも変態の魔王です」
魔王
「いや変える方そっちじゃないだろ! それだと私が変態みたいじゃないか!」
勇者
「どうも変態犬魔王です」
魔王
「混ざってるし悪化してる!」
勇者
「勇者君、ふつつかな娘だがよろしく頼む」
魔王
「急にお父さんの役に戻るな!」
勇者
「いえお父さん、娘さんは私なんかにはもったいない変態犬です」
魔王
「馬鹿にしてるだろ貴様!!」
勇者
「そんな謙遜する勇者君を気に入った。
僕と結婚しよう」
魔王
「何で!!?」
勇者
「喜んで」
魔王
「喜ぶな!!!」
勇者
「ああっ! 駄目だよフォンシ君! そこは私のオポネントだ!!」
魔王
「フォンシって誰なんだ!
そしてオポネントってどこネントなんだ!!」
勇者
「ほぅら、早く米粒をお食べ、カバゴローギ」
魔王
「つぎつぎと新キャラを出すな!!」
勇者
「いやカバゴローギはお前だぞ」
魔王
「私だったの!?」
勇者
「ついでにフォンシもオポネントもお前だ」
魔王
「何が起こっていたんだ!!?」
おわり




