39話 白魔道士の再来
？？？
「剣士様ー」
剣士
「え？ 誰？」
白魔道士
「ふふふ、やだなあ私ですよ。以前パーティーメンバーの面接で会ったじゃないですか」
剣士
「げっ！ お、お前は白魔道士！ 自分の快楽のために仲間を一旦傷付けてから回復させる生粋のヒールジャンキー！」
※ 参照
白魔道士
「説明ご苦労」
剣士
「どうしてここに……」
白魔道士
「ふふっ、だってこのギルドには獲物が、あ、いや私の助けを求めてる人がいっぱいいる気がして」
剣士
「（仲間のこと獲物呼ばわりしてる！）」
白魔道士
「ところでリュックを背負っておられますが、死体を捨てに行くのですか？」
剣士
「そんなわけねえだろ！ 何でリュックから一番最初に連想される単語が死体なんだよ！」
白魔道士
「では何故リュックを？」
剣士
「山登りに行くんだ」
白魔道士
「なるほど、埋めに行くのですね」
剣士
「死体じゃねえっつってんだろ！ あと俺一人で行くんじゃなくて、ギルドメンバーのみんなで行くんだ」
白魔道士
「すごく面白そう！ ちょうど血が足りなかったんです」
剣士
「何する気なんだてめえ！！」
白魔道士
「ご、ごめんなさい言い間違えました。本当は『血が見たい』って言おうとしたのです！」
剣士
「あんま変わってねえじゃねえか！」
白魔道士
「ねえ剣士様、私も付いて行って良いでしょうか？」
剣士
「いいけど……絶対変なことするなよ」
白魔道士
「はい！」
ーー山の中腹
剣士
「ふぅ、この辺で休憩するか……そういえばお前リュック一つ背負ってないな。水とか弁当はどうするんだ」
白魔道士
「ふふ、剣士様変な事言いますね。無いなら殴って奪えば良いじゃないですか」
剣士
「発想が山賊！！」
白魔道士
「ちゃんと回復させるから大丈夫ですよ。きっちり感謝までされるつもりです」
剣士
「思考がDV男のそれ！！ っていうかそれが一番の目的だろ！
頼むから止めてくれ。俺のをやるから他のやつに手出すな」
白魔道士
「ふふふ、優しいんですね。剣士様を回復させてあげたくなってきました」
剣士
「お前俺から殴る気だろ！」
白魔道士
「それにしても中々血が流れませんね」
剣士
「お前は山登りを何だと思ってるんだ」
白魔道士
「あんなに人用の罠張っておいたのに」
剣士
「デスゲームの主催者かお前は！！」
白魔道士
「登山道のあちこちにミミズを付けた針を仕掛けておいたのに！」
剣士
「魚釣る仕掛けじゃねえか！」
狂戦士
「いててててて！ おい何かミミズ食おうとしたら針引っかかったぞ！」
剣士
「思考が魚のやついた！！ まあお前ならいいか」
狂戦士
「おい何だその塩反応！！ おいそこの白魔道士！ 俺様を回復しろ！」
白魔道士
「あ、貴方は嫌です」
狂戦士
「何で！？」
剣士
「さて、休憩したしそろそろ行くか」
白魔道士
「そうですね」
狂戦士
「ミミズ美味しー！！！」
おわり
