2話 お祈りに行って来ても良いですか?
ーー剣士と見習い魔導士は近くの平原にモンスター討伐しに来ていた!
見習い魔導士「お待たせしました……お祈りが遅くなってすみません」
剣士「いいよ。じゃあ行こうか」
見習い魔導士「はい。あ、ところで剣士さん」
剣士「どうした?」
見習い魔導士「お祈りに行って来て良いですか?」
剣士「いやさっき行っただろ! 何回行くつもりだよ!」
見習い魔導士「違うんです! さっきは恋愛成就の神様で、これから祈るのは海の幸の神様です!」
剣士「ことごとく戦闘と関係ねえ……!」
見習い魔導士「すみません、私、心配性で……あ、そういえば剣士さん」
剣士「ん?」
見習い魔導士「お祈りに行って来ても良いですか?」
剣士「何がそういえばだよ! さっきから一貫してお祈りオンリーイベントじゃねえか!」
見習い魔導士「す、すみませんん! これからお祈りに行って来て良いですか!?」
剣士「何その攻防一体の頼み方! 合気道の達人かお前は!」
見習い魔導士「す、すみませんん! これからお祈りに行って来て良いですか!?」
剣士「んんっ!? もしかして俺がタイムリープしているのかな!?」
見習い魔導士「いえ、そんなのしてnす、すみませんん! これからお祈りに行ってきても良いですか!?」
剣士「何か途中で世界線変わってない!?」
見習い魔導士「世界線……!? つまりお祈りに行ってきても良いですか!?」
剣士「いや怖っ!? お前のその殺し屋みてえな執念は何なんだよ!!」
見習い魔導士「心配しないで下さい。これから祈るのはイワシの頭教会です」
剣士「最早何の神様だよ!」
ーー1時間後
イワシの頭「お待たせしました」
剣士「待ってねえよ!!!」
ーー1時間後
見習い魔導士「お待たせしました」
剣士「待ったよ、全く」
見習い魔導士「お詫びと言ってはなんですが、その、一緒に……」
剣士「(なんだ、急にモジモジし始めたぞ)」
見習い魔導士「一緒にお祈りしませんか?」
剣士「ふおおおおおおおおお!!!! 何でお祈りのお詫びが! お祈りなんだよ!!! 米をおかずに米を食うのかお前は!!!!」
見習い魔導士「米で思い出したんですが」
剣士「今度は何の祈りだよ!!」
見習い魔導士「お寿司食べに行きませんか?」
剣士「食べりゅ!!!」
ーー本日のモンスター討伐は中止になりました。