34話 魔法使いは結婚したい
剣士と闇魔道士と女騎士のなにか
魔法使い
「私って合理的じゃないですか」
剣士
「いや、知らないけど……それはそうと今日寒いな」
魔法使い
「じゃあ剣士さんの髪を燃やしますね」
剣士
「やめろや」
魔法使い
「良いじゃないですか。めっちゃあったまりますよ」
剣士
「おい笑顔で焼身自殺を勧めてくるな怖い怖い怖い」
魔法使い
「『髪を燃やして彼女が出来ました!』なんて声もありますよ」
剣士
「彼女ができる前に焼死体が出来上がりそうなんだが」
魔法使い
「『髪を燃やして髪が増えました!』なんて声も!」
剣士
「僅か15文字足らずで矛盾してんじゃねえか!」
魔法使い
「今なら炭も付いてきますよ」
剣士
「なにジワジワ焼き上げようとしてんだよ!」
魔法使い
「剣士さんが髪燃やしてくれないと魚が焼けないじゃないですか」
剣士
「普通に調理場で焼けば良いだろ!」
魔法使い
「いえ、でも魚と一緒に剣士さんのDNAを摂取したいと思いまして」
剣士
「発想が邪悪過ぎて理解が追いつかねえ!!」
魔法使い
「剣士さん、食べちゃいたいくらい愛してますよ」
剣士
「あなた本当に僕のこと食べようとしてません?!」
魔法使い
「どうしても嫌なら剣士さんの部屋の壁を燃やしますね」
剣士
「何でストイックに俺の周りのもの燃やそうとするんだよ! もうただの放火魔じゃねえか!」
魔法使い
「私の実家でもよく壁を燃やしてましたよ」
剣士
「どういう情緒の家族だったんだよ!?」
魔法使い
「普通の家族でしたよ? まあ父は私が12歳のときに離婚して、ボラと再婚しましたが」
剣士
「アブノーマルの塊じゃねえか!」
魔法使い
「3人子供も生まれたそうです」
剣士
「極めてなにか生命に対する侮辱を感じます」
魔法使い
「母は父と全く性格が違っていて、別れた後マグロと再婚しました」
剣士
「バッチリ同じ性癖してんじゃねえか!!」
魔法使い
「でも喧嘩して、殺して食べちゃったそうです」
剣士
「シリアルキラーが過ぎるわ!!!」
魔法使い
「『うまく盛り付けられた』ってインスタに刺し身の写真上げてました」
剣士
「サイコパスの極みみてえな女だな!!」・
魔法使い
「美味しかったって言ってました」
剣士
「もうそれ以上言わないでえ!!」
魔法使い
「私も剣士さんと結婚したいんですが」
剣士
「お前よくそのイカレポンチ共の話の後に結婚切り出してきたな!!」
魔法使い
「さ、髪を燃やすか私と結婚するか選んで下さい」
剣士
「くっころぉ!!」
おわり




