167話 闇魔道士の店のアルバイト1
闇魔道士
最近忙しすぎて体がねじ切れそうなのだ
剣士
あんま忙しさでは体ねじ切れないよ?
闇魔道士
一日に客が100人以上来るのを今、我とおじいちゃんのアルバイト一人だけで回しているのだ
剣士
よくそれで回ってるな……
闇魔道士
回ってるのは目だけだ
剣士
眩暈起こしてるじゃねえか
闇魔道士
おじいちゃん店員は耳が遠くてしょっちゅう注文を間違えるし、月の半分くらいは入院しているから戦力にはならぬ
剣士
何でそのじいさん雇ったんだよ! ここ老人のリハビリ施設みたいになってるじゃねえか!
闇魔道士
この前は『広辞苑の踊り食い一丁!』とか言うから、何を言っているのか分からなかった。
剣士
それは本当に謎だな
闇魔道士
仕方ないから新鮮な広辞苑を提供はしたけれども
剣士
想像を現実にしていく確かな技術力やめろ
闇魔道士
その日の朝、市場で見たら良い広辞苑が水揚げされてたのでな
剣士
あれ海に生息してるの!?
闇魔道士
とにかくもう限界なのだ。そろそろ新しいバイトを雇わねば
剣士
短期で良いなら俺入っても良いぞ
闇魔道士
助かる。今はヒモの手も借りたいのだ
剣士
はっ倒すぞ
ーーアルバイト初日
闇魔道士
よし剣士、まずはおじいちゃん店員の歳三さんに付いてくれ
剣士
聞きながらウエイターの仕事を覚えれば良いんだな
闇魔道士
いや、歳三さんがぶっ倒れるかもしれないから付き添っていてくれ
剣士
介護じゃねえか!! 何で飲食店でバイトがバイトを介護してるんだよ! 何そのバイバイ介護!
闇魔道士
あと各テーブルのメニュー表がちゃんとあるか確認してくれ
剣士
分かった
闇魔道士
時々、歳三さんにかじられてることがあるからな
剣士
もうそういう邪魔してくる敵だろ!
闇魔道士
まあ看板娘みたいなものだ
剣士
こんなグロテスクな看板娘がいてたまるか!!
歳三
グロテスクじゃと若造!!
剣士
あ、悪い。そういうつもりじゃ……
歳三
もっと言って!!!
剣士
そんでドMなのかよ!!
おわり