152話 女騎士と乗り換え
女騎士
おい剣士、夏はどこかに旅行へ行かないか
剣士
そうだな。どこ行く?
女騎士
やはり景色の良い場所が良い。海が見えて……くっころが鳴いていて……くっころが迫ってきて……くっころが襲い掛かってきて……
剣士
どんどんくっころがバケモノになっていく!
女騎士
札幌なんてどうだ? くっころ力高そうだぞ
剣士
完全に語呂で選んだだけだろ
女騎士
ここから乗り換え35万回くらいで行けるだろうか
剣士
多すぎるわ! どの惑星まで行くつもりなんだよ!
女騎士
まず羽田空港までは前転しながら行って……
剣士
何かのギネスに挑戦しようとしてんのかお前は!
女騎士
それから青函トンネルまで前転しながら行く
剣士
空港に来た意味は?!
女騎士
風に聞け
剣士
風も知らねえよ!
女騎士
で、青函トンネルまでついたら北海道新幹線に飛び乗る
剣士
飛び乗る!?
いや無理だろ身体こなごなになるわ!
女騎士
大丈夫、それまで前転で鍛えた屈強な腹筋と背筋がある!
剣士
いや運動エネルギーの差でミンチにされるわ!
女騎士
無事飛び乗ることが出来たなら、あとはもう、あっちのものだ
剣士
あっちのものて誰だよ! 第三者によって前転させられてた可能性が出てきた!
女騎士
ふう、札幌までついたな
剣士
急に芝居始まった! あとどう考えても35万回も乗り換えてねえ
女騎士
前転は乗り換えみたいなものだろう
剣士
違うよ
女騎士
札幌に来たぞ剣士! 早速雪を食べよう
剣士
腹壊すわ!
女騎士
じゃあ卓球をしよう! イクラで!
剣士
常に自己完結の全部1ターンで終わるわ!
女騎士
じゃあイクラを一粒一粒に名前をつける遊びをしよう
剣士
もう何かの宗教的儀式だろそれ!
女騎士
お前は莉玖斗、お前は瑠夏、お前は萌菜……
剣士
意外とモダンなネーミングしてる!!
イクラ
くっころ! くっころ!
剣士
やはり意志を宿した!
女騎士
成功だ、剣士! こいつらを食べよう!
剣士
悪魔か!!
おわり