143話 自転車に乗りたい闇魔道士
闇魔道士
我は自転車に乗れないんだが? どうだ、驚いたか?
剣士
何でイキってんだよ
闇魔道士
ということで乗るのを手伝ってくれないか?
剣士
分かった
ーー外!
自転車にまたがった闇魔道士
よし、では行くぞ
剣士
いきなり乗ってうまくいくのか?
闇魔道士
当たり前だ。我は卓球中に耳の骨を複雑骨折した男であるぞ
剣士
運動音痴の極み過ぎて存在しない骨を折ってる!
後ろ、持っておこうか?
闇魔道士
必要ない! ただいつでも119の準備だけはしておくのだ!
剣士
怪我する気満々じゃねえか
ーー足を浮かした瞬間、闇魔道士はころんだ!
闇魔道士
んぎゃっふ!!
剣士
声おもしろ
闇魔道士
もう! ちゃんと支えてよね!
剣士
いやお前が必要ないって言ったんだろ
次は後ろ持っとくぞ
闇魔道士
ククク……我には必要ない。むしろ今のままでは生ぬるい。補助輪【ハンデ】が必要だな
剣士
こんな格好つけて補助輪要求するやつ初めて見た
ーー自転車に補助輪をつけた!
闇魔道士
すごい……すごいぞ……! みるみる力が湧いてくるようだ!
剣士
補助輪パワー?
闇魔道士
さあ征くぞ! 今宵、我らは運命の舞台へと歩を進めるーー
剣士
いま朝だよ
闇魔道士
市場という名の闇の迷宮へ、覚悟を決めて出陣!
ーー闇魔道士は足を浮かした途端にジャイロ回転しながら転んだ!
闇魔道士
グーパぁ!!!
剣士
じゃんけんかな?
闇魔道士
乗れるかあっ!!
剣士
シンプルに逆ギレし始めた
闇魔道士
こうなったら飛行機に乗るぞ!
剣士
文字通り話が飛躍してる!
ーー空港
闇魔道士
おい、近くの市場まで頼む
剣士
しかもチャーターするの!?
空港の人
市場でしたらこの空港のすぐ隣ですよ
剣士
じゃあ何で空港来たのこの人!
闇魔道士
ほう、ではチャーター代も安く済みそうだな
剣士
いや歩けよ!
闇魔道士
おい剣士、自転車より飛行機よりもっと良い乗り物を見つけたぞ
剣士
何だ?
闇魔道士
おんぶして
剣士
嫌だよ!!
おわり