召還───地球
どうも湯タンポです。
あらすじちゃんと読んでくださいね。
本当に投稿すると時間軸がおかしくなりそうだから投稿する場所を移しただけです。
もしかしたらここでは初登場のものを説明なしでスルーするかもなので第一幕からをおすすめします。
ただ、第一幕とは打ってないからそこはご了承下さい
───20××年×月×日8時25分
その日。ある街を中心に目の前で人が消えるという怪異が世界中で同時に起きた。
その怪異は警察が捜査することは無かったがいくつもの目撃者がネットの掲示板や、ゴシップ等を取り扱う雑誌にて人々に認識され始めた。
曰く、有名な鉄道会社の社員はネット掲示板の
「怖い物なしの俺をビビらせる話をくれ」という題名のスレッドにて。
───『目の前で改札を通ったはずの近くの高校の制服を着た女子生徒が人混みに紛れて見えなくなった。あまりに不自然だから調べてみると、すぐそばにいた同僚も「高校生?こんな時間に来ないだろ、遅刻確定だし。ん?茶髪の女子高生?いたかなー?」といった具合。改札の通過記録を見てみても俺が数えてた数より一人分少なかった。そして俺の見た茶髪の女子高生だが、目を赤く腫れていたが何が面白いのか面白くないのか、どこかを見てひきつった笑みを浮かべていた。』
曰く、匿名で雑誌に情報を提供したものは
───『とあるカフェで働いていたら外国人の中学生くらいの子が一人で勉強していて中学生なのに勉強していて偉いなと思って見ていたら瞬きの間に子供も勉強道具も注文した飲み物も元からいなかったかのように消えていた。その子のレジを担当した同僚も印象的な容姿をしていたにも関わらず「そんな娘は見ていない」と言うし、じゃあ何で話題の子供が娘だと、女だと分かったのか聞いてみても「そりゃ、お前は男なんて眼中に無いだろ。」とはぐらかされた。実際にレジにも記録は無かったし、その子が注文した飲み物もその子が飲んだくらいだけ減っていて、残っていた分だけ戻っていた、今でも思い出すだけで寒気がする。座っていた席も飲み物の冷たさで結露した水滴だけが残っていた。』
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Side :豊葵の妹
昨日おかしな不思議現象が起きたって友達が言ってた。
まぁ、だからって何があるとかはないけどね。
ただ、前からお兄ちゃんが『同級生に家を放火されて死んだいじめられっ子』で新聞とかニュースで流れてたけど、昨日になってから捕まえていたはずの犯人とか、事情聴取をしてた参考人?とかも居なくなったらしい。
すごいよね。誰も犯人の名前も容姿も覚えてないって。お母さんが完全犯罪になるかもって言ってた。
ニュースも、今は放火だとかいじめとかじゃなくて、どうやって逃げたのかっていうのが多いらしい。
警察は賄賂を受け取ったとか、本当はいなかっただとか関係者全員に催眠術をかけたとか私でも笑っちゃうようなのもあった。
私は遺族ってやつで記者の人に「嘘をつけばお金あげるよ」って言われたから、
「私のお兄ちゃんは優しかったけどいじめられてて、私はなにもできなかった。でも死んでからもいじめは無かったことになるのは、おかしいと思う。警察のおじさんも犯人には絶対に罪を償わせるって言ったもん!催眠術とか本当はそもそもいなかったとか、私でも分かるくだらない言い訳を言ってないで早く犯人に罪を償わせてほしい!」
ここまで全部カンペってやつで用意してもらったから全部下を向いて顔を見せないようにやってみた。
そしたら次の日からみんな私を可哀想って言うし、早く警察の責任者出てこい!ってテレビでみんな言ってた。
私ってもしかしたら女優の才能があるのかも?
私をテレビに出してくれたお兄ちゃんに感謝。
天国のお兄ちゃんへ
あなたのおかげで女優になれました。
って感じ?
まぁ、死んでるから届くかどうかも分からないけどね。
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Side :神?
上白豊葵がベル・クリストフへと転生した同じ世界のルイネフィア。
世界と世界をつなぐ召還術を大規模な儀式で定期的に行っている国があった。
その国の名はダグラス皇国。
大陸で唯一世界を跨ぐ召還を許された国であり、今もまた召還が行われようとしている。
「皆さま、準備はよろしいでしょうか。」
神聖さを感じられるダグラス皇国、大聖堂の大広間。
その場に居る誰もが固唾を飲んで見守るなか、ダグラス皇国第二皇女マリアが静寂を切った
「それでは始めましょう」
その場に居るものたちの視線は二十にも満たない少女に集められる。
そして、少女を見つめるものたちの口のは失敗の許されない儀式に対する責任感と使命感で唇は真一文字に引き結ばれており、目には歴史的瞬間に立ち会える興奮と高揚、そしてその瞬間を目に焼きつけるために今か、今かと少女の指示を待っている。
「勇者を召還する儀式を」
その日、ダグラス皇国にて行われた勇者召還の儀は歴史上類を見ないほどの勇者の数を召還し、長年の忌敵、『魔族』を滅ぼすと宣言した。
その宣言にダグラス皇国民は歓声で応えた。
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Side :宮川 唯
気が付いたら、そこに居た。
周りには制服を着た高校生や老人。
中には言葉の通じるか分からない欧米人だったり、今まで運動していたのか、運動着を着て腕立て伏せの体勢で周りに気付かずにトレーニングを続けている人も居る。
そのなかで一番目立つのが、少し遠くに居る、宗教風のそれも日本の仏教ではなくキリスト教を彷彿とさせるような髪まで隠した黒一色、もしくは白一色の服を着た集団だ。
その集団は、「成功だ!」とか、「こ、これは!こんなに大量の勇者様方。神は魔族を滅ぼせと我々に仰せなのか!」とか言って、すごく興奮している。
何が起こっているのか全く分からないが、そいつらが誘拐犯らしい。
「おいおい!てめぇら、速くこっから家に帰せよ!美夏が待ってんだろが!」
ヤンキーが早速絡みに行った。
彼女が家で待っているらしい。
「俺が居ねぇと料理も出来ねぇんだよ!うちの妹を餓死させる気か?あぁ!」
彼女ではなく妹だったらしい。
あれか、家族思いのヤンキーか、良いやつだ。
「唯!唯!」
あれ?凛?
「唯!やっぱり唯だった。良かったー。今何が起きてるのか分からなくて、とりあえず知ってる人を探そうと思ったら近くに唯が居て。本当に良かったー」
そう言って来るのは須藤凛。
幼なじみで同じ高校のクラスメイト。
「ねぇねぇ、ここに来る前に何してた?私クラスで国語の授業してた筈なのに周りにクラスメイトも先生も先輩たちも誰も居ないの。どうしよう?あと唯ちゃんここ一週間休んでたけどどうしたの?」
今は非常事態なのによくそんなに話せるよね。
「今は世間話してる場合じゃないでしょ。今はどういう状況なのかを知るのが一番。でも凛ちゃんが居て、本当に良かったよ。」
「私も本当に良かっ「勇者様方!」
私たちの方を見てそんなことを言ったのは宗教集団のなかで唯一きらびやかな服装に国の王女みたいに王冠を頭に乗っけている綺麗な女の人。
「突然のことで驚いているかも知れませんがまずは話を聞いて頂けないでしょうか?」
よく通る声で、喚いていた人も含めて、その場に居る全員を黙らせた。
ただトレーニングをしてる人は腹筋に移行したらしい。
周りに知り合いの人が居ないのか誰も声をかけていない。
そして、耳栓と目隠しをしているようで、体に触れない限り気がつくことは無いだろう。
「凛ちゃん。あの人に声をかけた方が良いかな?」
「止めといた方が良いと思うよ?触っても汗でベッタリになりそう。汚い。っていうか目隠しして筋トレってなに?意味わかんない。」
「まぁ、そうだけど。」
そんなことを話している間。
王女っぽい人も触りたくないのか、周りを見て困った顔をしている。
「おい、オッサン。聞こえるか?」
さっきのヤンキーが声をかけに行った。
さすがヤンキー。度胸がある。
「さすがヤンキー。人の目を気にしない。」
凛ちゃんはヤンキーに嫌な思い出があるようだ。
「お?何だ?朝か?」
筋トレ男が目隠しと耳栓を取った。
思ったより綺麗な顔をしている。
けどマッチョ過ぎて美形は生きてない。
華奢だったら良かったのに。
「顔がワイルドだったら良かったのに」
凛ちゃんは私とは好みが逆のようだ。
「おい、オッサン、これからあの女の人が説明してくれるらしい、家に帰るも帰らないもそれから考えろってさ。」
「お?あぁ、すまんなえーと、坊主」
「………」
ヤンキー君は何か言いたかったらしいが、ぎりぎり呑み込んだ。
非常事態に大衆の面前で名前を晒す愚行を理解したらしい。妹に詫びろ。
「あのヤンキー思ったよりも理性的だね。」
「さっきは誘拐犯に妹が弱点だって叫んでたけどね。」
凛ちゃんは辛辣だ。
「おい!速く説明でもして帰せ!ボクは今日忙しいんだ!」
見たまんま坊っちゃんが王女に催促する。
「唯ちゃん。良く今まで我慢したねー。って誉めてあげた方が良いかな?」
「今はあまり人を刺激しない方がいいよ?」
坊っちゃんはこっちの会話が聞こえたのか、ギロッとこっちを睨み付けてくる。
あっ、凛ちゃんが逃げた。
「勇者様方!では説明をさせていただきます!」
王女がトラブルが起きる前にと強引に説明を始めた。
主人公が偽名も何も、今回は二人しか名前出てないですね(笑)
美夏ちゃん入れれば三人ですけど。
主人公は追い追い。
もしかしたら名前が出てないだけで、出てるかもですけど。