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[盲目と世界] 少年は出会う 盲目なことを 知った3人組に それは 町に一つはあるだろう世界 路地と交差する砂地 高い堀へと 池に続く道 世界は 3人の命題を与えない 3人は只の冷やかしとヒエラルキーへの 欺瞞と欲望で満ち しかし同時に愛を持つ 池の甲殻類をもてはやし 階段の空き地に昆虫の死骸を置く そう、棄てるのでは無い 置くのだ 少年は一人きりで、昆虫の死骸を置く あの 堀を歩く 盲目を知った3人の表情は どこかの支配者の裏の顔に似る 少年は 気付かない 少年は夢中だ 夢中であることが 愛への解答として ある 盲目を知った3人組の耳を塞ぐ 少年にとって 世界の広さは歩いて回れる 隣町は一つの町を跨がない 少年は知るのだ 大人になって 目的などない子供の白昼夢を