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[命という連鎖]
遠い街の灯
水平線を下から覗く 多重に重なる道
橋
太陽はグルーヴにのせて 今日も
赤や 青の空の元
波打ちよせるテトラポット
甲虫や命の影
鼓動
それは 太古から浜辺へと流れていた
流木の着く先は 麻薬売買のルートの様に
north to south , west to east
ペットボトルは波の流れに
沈まない瓶
様々な顔を見せる脈略とした血
捨てられる奴隷
生き血
産まれながらにして運命は
誰しもに平等な命と死を与えながら
それぞれの苦難 窮乏 権力 階層 ごとの
妬み 僻み 嫉み を丸呑みに 吐き出し
丸呑みにしながら進む
それは ガンジス川の色
全ては管理された川の人格により
命は腐敗し
その管理を超えた天地の災がある限り
人間には等に及ばない
川が川としての人格を持つ
流れる
牛
命と脈略とした血の呪いなのか?
命とは呪いなのか?
その答えは丸呑みにされた生と死の
平等の天秤だけが計る