「正直なことを言うと、ポイントよりも感想が欲しい」という独り言的単発エッセイ。

作者：楪羽聡

「いきなり何言ってんだこいつ」って思われたかた、ごめんなさい。

　いや、もちろん多くのかたがたに読んでいただくためにはポイントって重要な要素だと思うんです。

　ブクマもしかり。

　連載の人気作を見ていると、純粋な評価ポイントよりブクマの方が多かったりしますものね。

　でもそんな作品も、毎回のように感想をつける人はごくわずかです。

「毎回感想くれるのは嬉しいけど、執筆を優先させるとなかなか返信できないから」とか、

「感想でも、駄目な点や誤字報告ばかりを書かれるのは嫌だから、ポイントの方がいいな」とか、人によってはさまざまだと思います。

　でもわたしは、そんな人気作家さんたちのようにポイントがもらえるような作品を書いてはいません。自称『深海生物』ですから。

　こんなわたしの作品でも、読んでくださる人はいます。ポイントをくださる人もいます。

　活動報告にコメントをくださる人もいますし、冗談を言い合えるようなユーザさんもいらっしゃいます。

　だけど感想となると、やはりぐぐんと減るのですよね……

　確かに、わたしも感想を書く時は、結構言葉を考えて書いています。

　親しいユーザさん宛てなら軽い言葉でも書けますが、作品を通してのみの『お付き合い』になる作家さん宛てには、それこそラブレターを書くような意気込みで何度も見直してから感想を送信します。

　……これはこれで気負い過ぎなのかも知れませんけども。

　でも、わたしの作品に対する感想は、そんなに気負うようなものでもないと思うんですよ。

　だってほら、水面でキラキラしている人気作家さんならともかく、わたしは深海にひっそりと生息してますし。

　だから、ツッコミでもなんでもいいから何か反応があればいいのにな、と思うんです。

　特にわたしは、低評価をつけて行く人の意見が欲しいと思っています。

　タイトル詐欺の短篇を書いた時に低評価を付けられた時は、さすがにわかりやすかったので「あ、ごめんなさい」という気持ちになりましたが、そうではなく普通の連載を投稿した時に初回でいきなり低評価をつけられた時は、「一体どこが気に入らなかったんだろう」としばらく悩んでいました。

「書き出しが悪い」なら納得します。

「キャラクターが気に入らない」なら「初回冒頭で魅力を伝えられるような書き方をしなければいけないのか」と、これも納得します。もっとも、「じゃあこれからはそういう書き方に変えますね」というわけでもないのですけど。

「好きなジャンルの話じゃなかった」なら、「ああ、ご縁がなかったんですね」と納得できます。

「いや、低評価つけるような作品に、わざわざ感想残さないだろ普通」とおっしゃる人もいるでしょう。

　でもその人は、さっさとブラウザバックしないで、わざわざ低評価をつけたんです。

　それが無意味なわけはないと思うんですよね。

　ならばいっそ、評価せずに「自分の好みじゃなかった」と書いていただいた方が（わたしの場合は）とても参考になるのです。

　わたしなら、そういう感想をくださった人がどんな作品をブクマして評価しているのか見に行きます。いえ、ストーカーって意味ではないですよ？

　もしもまったく好みのジャンルが違う人だったら、ご縁がなかったと思うこともあるかも知れません。

　でも、ひょっとしたらその人のブクマから、新しい作品を知るきっかけができるかも知れないじゃないですか。

　そういった意味でも、ポイントより感想の方が価値があると思うのです。

　ポイントだけだと、その人の好みまでは理解できませんから。

　いっそのこと、ポイントの他に『いいね』のようなマークや、某オークションサイトのように感想のテンプレがあると便利なのかも知れないですね。

「感想のテンプレなんて、同じものが並んでつまらない」という作家さんも出て来るかも知れませんけど、このサイトには書く人たちだけではなく『読み専』という人たちもたくさん登録しているのです。

　そういった人たちの中には、文章を書くのが苦手という人もいるでしょうから、「それでもとにかく何か伝えたい」という時には非常に有効だと思うんですよ。

　もっとも、『いいね』マークや感想テンプレを実際このサイトに組み込むには、結構な改修が必要かも知れませんけどね。

　こんな風に考える理由としては、わたしの場合は長い期間ブログで書いていた経験があるからかも知れません。

　ブログはコメントでしか反応が見えませんから。　

　ここにいる多くの作家さんは多分、「感想よりもポイントやブクマ、そしてレビューが欲しい」と思っているでしょう。

　もちろんわたしも、それらをいただけたら躍り上がって喜びます。

　でも、それよりももっと「正直な感想が欲しい」と考えてしまうのです。