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サマーコンサート⑬

 電車の中で久し振りに色々話をした。

 サマーコンサートや、今日の事も。

 江角君は今日午後からなので、午前中は久し振りに八景のキャンパスでボーっと本でも読んで過ごそうと思っていたと言うが、何だか変。

 だって、本を読むのなら家でゆっくり読んだ方が良いに決まっているし、まして最近は勉強で忙しいのなら気分転換に学校へ行くと言うのもおかしい。

 私だったら……そう! ロンと河原に散歩に行く。

 電車だって何だか怪しい。

 朝からワザワザ八景のキャンパスに行くのなら、2本先の電車に乗るはず。

 何故って? だって、2本先の電車だと、私に会えるでしょ♡

 今日は私が家でのんびりしていたから偶然同じ電車になったけれど、私が江角君だったとしたら、みすみすこのチャンスを逃すはずがない。

 ……んっ!? と言うことは、逆に言うと江角君はワザとこのチャンスを逃がそうとしたわけ?

 いつものように優しく話してくれる江角君の目を、探るように見ていた。

 いつもと変わらない江角くんなのに、何だかいつもと違う江角くんのように思える。

 いつもと変わらない私が、何故かいつもより気丈でいる気がした。

 大学の駅に着いて電車を降りる。

 一緒に同じキャンパスに歩いていくはずなのに、私は江角くんの手を引いて違う方向に向かった。

「ちょっ、鮎沢、どこに行くんだよ。お前、講義が――」

 珍しくたどたどしい江角君を強引に引っ張って、シーサイドラインに乗り、海の公園南口で降りた。

 まだ海開きしてない午前中の海岸は、人もまばら。

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