教育実習⑲
朝練に参加した後は職員会議、それから授業に出て、お昼休みにお母さんに作ってもらったお弁当を食べて昼練に参加してから午後の授業。
それから夕方の練習に参加して、中村先生とミーティングしてレポートを書いて、帰宅したのは夜の10時前。
もう少し経つと、これに授業計画書が追加されるので、レポートの方は“宿題”となる。
チャンとやっていけるのか心配になる。
まだ二日目が終わったばかりなのに、ヘトヘトになっていた。
玄関に入ると、そんな私を癒してくれるようにロンが抱きついて来てくれた。
驚くほどの癒しパワーで復活した私はそのままロンを連れてお散歩に出て、再び家に戻ったときにはもう10時半を回っていて、遅い晩御飯を食べてお風呂に入る。
給湯器に時刻表示が11時を軽く回っている。
早くお風呂から上がって寝たいのに、湯船から抜け出す元気が出ない。
たまった疲れが、まだまだ体から抜けてくれない。
目を瞑ると軽く寝てしまいそうになり、このままこうして朝を迎えられたら、どんなにか幸せだろうとさえ思う。
ナカナカお風呂から出てこない私を心配して、誰かがお風呂の戸を摩る。
白色の半透明の窓に映るシルエットは、ロンの顔。
その顔を見て、ようやく湯船から出る勇気が湧いて来た。
バスタオルで体を拭いたあと、それを体に巻き付けて洗面所に出て髪を乾かす。
心配顔のロンがズット傍についていてくれる。
髪が乾いてパジャマに着替え、一緒に二階に上がり、ベッドに入る。
重い体が、マットに深く沈み込んで、まるで自分の体重に押しつぶされるような気がした。
布団の裾を少し持ち上げると、その私のサインを見逃さないロンが開けた隙間からベッドに上がって来て添い寝してくれた。
それでやっと体が軽くなるのが分かった。
“ありがとうロン”
そう言って、ロンの鼻先にキスをすると、ロンは静かに目を瞑った。
フッとその可愛い寝顔を見て零れた私の笑顔。
そうして私もいつの間にか寝てしまっていた。





