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ビバ、オーケストラ♪④

「なんで伊藤君が、ここに居るのよーもうっ!」


「えっ!なんで?いちゃぁ悪いのかよ?」


「そりゃあ悪いでしょ。こんな時に紛らわしく後ろ着いて来て!」


「こんな時って、どんなときなんだよ。最近思うけど、お前、俺にだけ強気で掛かって来ていないか?」


「そんなことないわよ。私はいつも公明正大――」


 そこまで言ったとき、伊藤君の後ろにいる人物に気が付き驚いた。


「コバ。それに美緒も、どうしたの!」


 私は、二人の突然の訪問に抱きつかんばかりに喜んだ。


“まったく、なにが公明正大なんだか……”と、これは後ろにいる伊藤君がブツブツと文句を言っている声なので、当然無視。


 コバが腕時計を見て、とりあえずあと五分だから待ち合わせ場所に行こうと言う。


「待ち合わせって」


「中庭ってどこ?」


 と、私の問いには答えてもらえずに、美緒が聞いて来る。


「あっ、直ぐこっちよ」


 そう言って、すぐ先にある本校舎の方に向かう。

 中庭に入ると、美緒は池があることに驚き、喜んでくれた。

 何だか不貞腐れている伊藤君は放っておいて、コバにここに来た理由を聞くと「入学試験」だと教えてくれた。


「入学試験?」


「そう。紘太朗に誘われて僕らも入学試験を受けるためにここに来たんだ」


「江角君に誘われて?」


「そう。だから、俺たちもオーケストラの入部試験を受けに来たんだよ」と教えてくれたけど、それでも意味の分からない私は聞き返す。


「だって、大学違うじゃない」と。


 私とコバの緩~い会話に苛立ったように伊藤君が割って入る。


「千春。おまえいつも紘太朗とイチャイチャする事ばかり考えていて、自分の大学のこと本当に分かっているのか?」


「イチャイチャだなんて」


 言われたから言い返したけれども、当たらずとも遠からずと言ったところ……と言うより、正直当たっている気がする。


「今日入部試験を受けるお前の所のオーケストラ部はな、他所の大学でも入部が認められるんだぞ!だから、俺たちも一緒に受けてやろうってこうして遥々やって来てやったと言うのに、なんだそのふてぶてしい態度は」


「遥々って言うけど、帰り道に途中下車してきただけじゃない」


 そう、県立大は私の大学の少し先にあるだけなのだ。

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