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恋人たちの聖地⑨

 浜名湖ガーデンパークを出て、かんざんじロープウェイに乗った。

 このロープウェイは、日本で唯一の湖上を渡るロープウェイだそうで乗る前からドキドキしてしまう。

 遊園地の入り口にある駅を出ると、直ぐに湖の上に出る。

 出発地点では高くて大きく見えた、大観覧車が少しずつ低く小さくなっていく。

 青く太陽の光をキラキラと反射させている浜名湖は、思った以上に広くて清々しかった。

 大高山の駅に着いて私たちが向かたのは、オルゴールミュージアム。ここで手作りオルゴールに挑戦。

 二人でケースとオルゴールを選んで、トッピングの装飾を付けて出来上がり。

 江角君はブック型の樹のケースに、男の子と女の子と子犬を並べた意外と可愛らしいもの。そして私は星型のガラスケースに青とピンクのペンギンと空中に浮かぶ星をトッピング。オルゴールは二人共『見上げてごらん夜の星を』にして、出来上がったものをラッピングしてもらい、交換した。

 オルゴールミュージアムを出て展望台へ向かうと、時間が丁度1時になり沢山並べられたベルが曲を奏でてくれた。

 展望台には、浜名湖八景と書かれた札の隣に『恋人の聖地』と書かれてあり、ガーデニングで覆われたスペースに可愛い男の子と女の子のお人形があった。

 ロープウェイで降りた後は、いったん浜松市内に戻りランチを取り、そして元城町東照宮に寄る。

 江角君が、なんで直ぐ近くにある浜松城に寄らずにこんな小さな神社に寄るのかと不思議がっていたので「ここは出世のパワースポットなのよ」と説明したけれど、私の目的はそっちじゃない。

 たしかに徳川家康と豊臣秀吉に所縁のある所で、境内には二人のブロンズ像が置かれていて“出世スポット”と言われているけれどね。

 大通りから、お店二件分ほど入った住宅地との境に元城町東照宮は有った。

 予想通り、閑散としていて周囲を囲む木々と相まってパワースポットらしいオーラを感じる。

 先ずは手水舎で手と口を清め、お参り。

 お参りしながらも、私の心臓を鳴らす太鼓打ちが、(はや)し立てるようにドンドンと心臓を鳴らす。

 そしてお参りが澄んだあと、江角君の手を取って境内の横にある灯篭の所へ連れて行く。


「ねえ。見て、見て!」


 灯篭の台の部分にはハート型の彫り物があり、恋愛成就のご利益があると言う知る人ぞ知る恋愛スポットで、私の本当の目的はこっち。

 クラスの友達に、浜名湖に行くと言ったら教えてくれたんだ“ここでキスをすると永遠の愛が叶う”って。

 だから――。

 江角君には、そこのところはなにも説明しないまま、目を閉じて顔を上に向けた。

 いわゆるキスをせがむポーズ。

 目を閉じているから江角君の顔は見えないけれど、少しだけ咳払いをしたあと、近づいて来る暖かさを感じる。そして優しく手を背中に添えてくれて、軽く唇を合わせてくれる。

 さすがパワースポットだけのことはあり、この短くて軽いキスにも拘わらず、まるで気持ちが遠く果てしない宇宙にでも飛んでしまうような気分になり、おぼつかない私の体を江角君が確りと支えてくれた。

挿絵(By みてみん)

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